EVERY LITTLE THING

深夜アニメ、音楽、映画、コミックの感想など

『響け!ユーフォニアム』11話 感想

今週のユーフォニアムも凄かった。リボンちゃんの号泣につられて、私も思わず涙しました。まさかアニメ見て泣くことになるとはねー。

f:id:droberthing:20150617233937p:plain

たぶん私が年をとったからなんでしょう。今までそれなりにやってきたけれど、潮目の変化についていけなくなってると感じることも多くなってきたし。だからなのか、無意識のうちに香織に肩入れしたくなっちゃったんだろうなあ。もうね、香織と晴香の姿がまるで古い戦友にしか見えない(笑)。

新しい価値観が導入されて、今までの努力や我慢は評価されなくなった。新しい世代が台頭してきて、主役の座を渡さなければならなくなった。再オーディションはそれを象徴するセレモニーみたいに思えました。

f:id:droberthing:20150617233938p:plain

麗奈は見事に捩じ伏せてみせた。でもそれは香織がこのセレモニーの意味をきちん理解していたからこそ成ったことです。それをわかってほしいと思うのは、面倒くさいロートルの繰り言でしょうか。

f:id:droberthing:20150617233939p:plain

「中世古さんではなく、あなたがソロを吹く。いいですか。」

北宇治高校吹奏楽部が真に生まれ変わった瞬間です。麗奈の表情に、もはや迷いはありませんね。それにしても本当にすごいアニメだなあ。世代交代をこんなにもドラマチックに描き上げるなんて!

あと2話なのが惜しいくらい。次回も楽しみです。

『響け!ユーフォニアム』10話 感想

ラストの引きが素晴らしくて鳥肌が立ちました。ドラマチックですよね。そして再オーディションの結末はいったいどうなるのか。視聴者である私にも様々な感情が渦巻いていますよ、いやホントに…。

f:id:droberthing:20150613203134p:plain

私は香織にソロパートを吹かせてあげたいなと思っています。

香織たち3年生はここまで吹奏楽部を存続させてきた立役者なんですよね。きっと自分たちの練習時間や勉強時間を削って、部員たちをまとめていくにはどうすれば良いか、本当にいろいろな努力を重ねてきたんだと思うのです。リボンちゃんはそんな姿を間近で見てきたんじゃないかなあ。

f:id:droberthing:20150613203137p:plain

ところがその香織がソロパートを吹くことができない。ソロパートを担当するのは3年生たちが守ってきた吹奏楽部にポッと入ってきた1年生なんです。しかも「私の方がうまいのだから当然!」と3年生の努力に敬意も示さない。

オーディションの結果を黙って受け止めようとする香織の姿をリボンちゃんは見ていられなかったのでしょう。全国に行くというのは、そういうことなんだろうか。みんなのために努力してきた人の思いは報われないのか。こんなのは絶対におかしいよ!

f:id:droberthing:20150613203136p:plain

いい音ってなんでしょう。譜面通りに完璧に出てくる音でしょうか。私は吹奏楽のことはよく知らないけれど、やっぱり音には演奏者たちの心がこもっていると思うのです。だから北宇治高校吹奏楽部にも、全国に出て響かせたい音があるんじゃないかって思います。

香織はただ自分を納得させたいために再オーディションにチャレンジしてるのかもしれません。うまさでは麗奈に敵わないのかもしれません。でも彼女の思いはきっと音に乗るんじゃないかなあ。そんな展開を切に期待したいです。そして、あすかや久美子たちはどちらに手をあげるんでしょう??

次回も本当に楽しみです。

『響け!ユーフォニアム』田中あすかの部屋を見て思うこと

『響け!ユーフォニアム』がとても面白くて、毎週楽しみにしています。その7話なんですけど、実に印象的なカットがありました。久美子と秀一の会話シーンでチラッと映ったあすかの部屋です。

f:id:droberthing:20150523132830p:plain

私が勝手にイメージしてる女子高生の部屋とは余りにもかけ離れた殺風景さ。綺麗に片付いているというか、目に止まるモノは、ちゃぶ台とオーディオしかない(笑)。でも、瞬間的に納得もしました。ただ楽器と戯れていたいだけの彼女ならそうだろうなって…。

それにしても、何かに打ち込んでいる女子の部屋は畳部屋でちゃぶ台ひとつっていうの、深夜アニメのデフォルトなんでしょうか。他のアニメでも結構ありますよね。

f:id:droberthing:20150526232502p:plain

最近だと『SHIROBAKO』の安原さんの部屋が思い出されます。アニメーターという仕事に打ち込む彼女の部屋は、やっぱり畳部屋でちゃぶ台ひとつです。好きな事を仕事にして食べていくために必死で、他の事を考える余裕がないというのもあるんでしょうけど…。

f:id:droberthing:20150526232503p:plain

こちらは『Wake Up, Girls!』の未夕ちゃん。アイドルを目指す彼女の部屋は、やっぱり畳部屋でちゃぶ台ひとつ……っていうか、カーテンすらない(笑)。まあ、彼女の場合はいろいろ家庭の事情などありそうですが、それでもファンに楽しんでもらえるためにはどうしたらよいか、いつも考えている子だったですよね。

ところで、彼女たちは自分の部屋についてどう思っているんでしょうか??

うーん、たぶん彼女たちは自分の部屋のことなんぞ、そんなに重要視してないんじゃないかって、私は思います。彼女たちは自分が最も大切にしていることが明確になっているからです。

あすかは楽器を演奏していたい。安原さんはアニメーターの仕事がしたい。美夕ちゃんはアイドルになりたい。本当にしたいことが見つかって、それに没頭していたら、それ以外のことに時間やお金も使いたくなくなり、必然的に生活はシンプルになると思います。

もちろん時間やお金に余裕があったほうがいいに決まっているけど、たぶん本当にしたいことに没頭してる人は、したいことを邪魔されないように時間やお金を使っていくんじゃないかなー。

最近はシンプルに生きることが流行ってきてるみたいなので、私もそれに流されて同調してるだけかもしれません。でも彼女たちの部屋を見てるとそういう生き方は有効な選択肢のひとつなのではないかって思ったりするのです。

f:id:droberthing:20150526232505p:plain

最後は『化物語』のガハラさん(サービスしてくれてます)。彼女の部屋も畳でちゃぶ台ひとつです。こちらは明らかに家庭の事情だったと思いますが、彼女は成績優秀だし、オシャレだし、自分が大切にしたいものはしっかりと守っている印象があります。でも彼女には打ち込んでいたものが何かあったっけ? あっ…「阿良々木くん」か(笑)。

ではまた。

オールタイムベスト(映画)

ツイッターを眺めていたら、映画のオールタイムベストを挙げている方がいました。なかなか面白いことをやっているなと思ったので、私も思いつくまま挙げてみることに。でもTLに晒すのは気が引けたので、ひっそりとブログに書くことにしました(笑)。

ぱぱっと思いつく11作品を挙げてみましたが、何だか有名作がズラリと並んじゃいました。改めて作品のあらすじや解説は不要でしょうから、初見の印象なんぞを添え書きしておきます。 

『エイリアン』
監督:リドリー・スコット、公開:1979年

友人に「すげー映画があるから観に行こう!」と誘われて、何ら事前情報を持たずに観たんですよね。当時は『スター・ウォーズ』などのSF映画がけっこう話題になっていたけど、私は全く興味がなかったんです。

f:id:droberthing:20150606192948p:plain

ところがこの作品はすごかった。そうか、今のSF映画はこんなになってるんだと感動したのを覚えています。あのエイリアンのデザインも私にはものすごい衝撃で一発で虜になりました。一方で、この映画を観てしばらく密室が苦手になっちゃって、家のトイレが怖くてしかたなかったという思い出も(笑)。

オーメン
監督:リチャード・ドナー、公開:1976年

この当時は『エクソシスト』に端を発して、ホラー映画ブームみたいになってた記憶があります。『キャリー』とか『サスペリア』とか次々と上映されていたけど、映画館で観たいと思ったのはこの『オーメン』だけだったなあ。

f:id:droberthing:20150606192949p:plain

なぜそう思ったのかは思い出せません。でもこの作品を観て私が好きなホラーはこれで間違いないと直感しました。666、カラス、山犬などの記号。悪魔は姿を現さず、登場人物は不慮の事故で死んでいく。そしてテーマ曲「Ave Satani」の不気味な美しさ。他のホラー映画と一線を画す気品みたいなものを感じていたのかも。

風立ちぬ
監督:宮崎駿、公開:2013年

ジブリ作品は映画館で観たことなかったんです。でもこれは宮崎駿監督の最後の作品になると聞いていたので、映画館に足を運びました。そして素直に観てよかったと思いました。ブログに感想も書いたくらいです。

f:id:droberthing:20150606210632p:plain

何よりも二郎と菜穂子の生き方に共感しました。自分が本当に大切にしたいことは何か。その一点のためだけに自分の命を使い切ろうとする。後悔しない生き方ですよね。美しいと思いました。最近観たアニメ映画の中ではベストのひとつかな。

『シャイニング』
監督:スタンリー・キューブリック、公開:1980年

この作品はホント気に入ってしまい、レーザーディスクなるものも買ったんですよね。今もどこかに仕舞ってあるはずですけど、再生機が壊れてしまって観ることができない。それで改めてブルーレイを買い直しました。それくらい好き。

f:id:droberthing:20150606192950j:plain

たぶんこの映画の様式美みたいなものが好みに合ってるんだと思います。双子の女の子とか、エレベータからザザァ〜ドッパーンとか…。そしてジャック・ニコルソンの狂気とシェリー・デュバルの悲鳴が名演技なんだよね。

『天国と地獄』
監督:黒澤明、公開:1963年

世界のクロサワと言われておりますが、実は私あまり作品は観ていません。『七人の侍』など本当に誰もが知ってる超有名な作品をいくつかDVDで観たくらいで…。その中で特に気に入ったのがこの『天国と地獄』でした。

f:id:droberthing:20150606192951p:plain

この作品の捜査会議の描写がホント大好きなんです。緻密で地道で泥臭い感じが実にホンモノっぽい雰囲気を醸し出していて惹き込まれます。私は刑事ドラマをよく見るんですが、この作品を超えるような捜査会議シーンには未だ出会ったことがありません。 

時をかける少女
 監督:大林宣彦、公開:1983年 

この作品には本当に夢中になりました。もう映画館に足繁く通って何回も観るんです。なけなしのお小遣いで写真集を買ったり、主題歌のシングルや映画のサントラを買いました。自分の部屋の壁に知世ちゃんのポスターを貼ったりしてね(笑)。

f:id:droberthing:20150606192952j:plain

今観るとなんじゃこりゃと思う方もいるかもしれません。でも当時の私は、原田知世という少女が持つ独特な透明感に憧れ、時間が巻き戻る時の幻想的な映像に大いに魅了されたのです。あの頃を知る人なら、きっとわかってくれるはず!

『ビリィ★ザ★キッドの新しい夜明け』
監督:山川直人、公開:1986年

当時の私は、ZELDAというバンドが心底好きでいろいろと情報を集めて回っていたんですよね。なんかの雑誌でZELDAが映画に出演すると知り、この作品に辿り着いたのを覚えています。これもレーザーディスクを買ったなあ。

f:id:droberthing:20150606192953p:plain

2年くらい前にDVDが出ているのに気づいてついついポチっちゃいました。久しぶりに見たけど、個性的な役者が勢揃いでみんな若い〜。真行寺君枝の美しさは絶品だし、懐かしのZELDAも素晴らしい。80年代がぜんぜん色あせてないのがスゴいです。

ブレードランナー
監督:リドリー・スコット、公開:1982年

クラスの友人から戸川純のライブ映像があるから遊びにおいでと言われ、そいつの家に行ったら映画の話になり「なんだい、この名作を知らんのかい。」とレーザーディスクで観せてくれたのが『ブレードランナー』でした。

f:id:droberthing:20150606192954p:plain

その時はなんかB級なSF物って印象だったんですが、「お前は全然わかってない。」と友人からレーザーディスクを渡されて、再度自分の家で観ることに。あれから何年経ったでしょうか。彼とはとうに音信不通ですが、とても感謝しています。

ミニミニ大作戦
監督:ピーター・コリンソン、公開:1969年

就職したら絶対にミニを買おう。そう決めていたのです。どこでその車を知り、なぜその車に憧れたのか、未だによくわかりません。気がついた時には好きになっていたんですから恋みたいなものでしょうか(笑)。

f:id:droberthing:20150606201801p:plain

まあそんなミニ乗り御用達の映画です。ミニといえばアニメなんかにもよく登場して、軽快な走りを披露してくれますが、それを実車で本当にやっちゃってるのがスゴい。屋根の上、地下道、はたまた下水管の中、縦横無尽に走り回るミニが実に楽しい。

未来世紀ブラジル
監督:テリー・ギリアム、公開:1985年

この作品を初めて観た時の記憶が定かではありません。たぶん「宝島」とかそんな類の雑誌から情報を得てどこかで観たんじゃないかな。当時、国内ではレーザーディスクも売ってなくて、散々探し回ったあげく輸入版を見つけて買いました。高かったなあ。

f:id:droberthing:20150606201802j:plain

でもこの作品、根強いファンが大勢いるみたいで、その後日本でのDVD発売を切望する声が高まり(もちろん私も賛同)、2003年ついに発売されたのでした。奇才テリー・ギリアム監督の金字塔、未見の方はこの機会に是非!!

『レオン』
監督:リュック・ベッソン、公開:1994年

初見は4〜5年前だったでしょうか。スタイリッシュな映像と音楽、独特な世界観。そして何と言ってもマチルダ役のナタリーポートマンが可愛い。でもこれを声高に言っちゃうとロリコンと蔑まれそうでおっさんにとっては辛いところ(笑)。

f:id:droberthing:20150606201803p:plain

とても整った美しい作品なんですが、それ故かちょっとサラッとした印象もあります。もう少し尺をとって人物像を深掘りしても良かったんじゃないかとも思ったり。まあ、その辺は好みの問題で、とても好きな作品であることには変わりありません。

こうして改めて並べてみると何となく80年代の作品が多くて、自分の嗜好が表れているような気もしますが、あんまり幅広く映画を観ているわけではなく、単に知らないだけなのでしょう。これを機会にもう少し冒険してみてもいいかなって思いました。

『響け!ユーフォニアム』9話 感想

人生で一番充実している時って、わずかな時間も惜しいと思えることに没頭している時だと思うのです。コンクールのメンバーに選抜されて演奏したい。そんな思いでオーディションに挑む部員たち。ひとつのことに本気で取り組んでいる姿というのは、見ている人の心を動かすよなあ。

f:id:droberthing:20150603232848p:plain

過去の自分を嘆いてみたり、他人の才能や環境を羨んだりしているヒマがあったら、今やるべきことに打ち込む。そんな夏紀の姿を見ていたら、私も感化されずにはいられない。

何だかこんなブログを書いたりツイッター眺めて暇つぶしすることは、本当に自分がしたいことなのかって思っちゃう……いや、そこまでは思ってないけど……んー、でもちょっとは思ってるかも(笑)。 

f:id:droberthing:20150603233436p:plain

オーディションの結果は悲喜こもごもとなりました。名前を呼ばれた者、呼ばれなかった者、どちらも受け止めなきゃいけない気持ちがある。ところで、この結果発表を行ったのが松本先生なんだなー。まさにこの人しか考えられず、配役の妙を感じました。

次回も本当に楽しみです。

『響け!ユーフォニアム』8話 感想

惹かれ合う久美子と麗奈。流されやすい自分を克服したい久美子にとって、麗奈は憧れの人。特別な自分を目指す麗奈にとって、久美子はついに見つけた自分の理解者。そんなふたりが打ち解け合う姿がとても美しく表現されていたと思います。

f:id:droberthing:20150530112150p:plain

こういう関係になれたのには、もちろん紆余曲折あったわけだけど、大きなきっかけになったのはドボルザークでしょうか。4話だったか、久美子が「あ、駄目だ…また後悔するかも…」と思い、勇気を出して「元気出た、ありがとう。」と麗奈に言ったシーンです。麗奈の方は、この一言で確信したんじゃないかなあ。

f:id:droberthing:20150530120336p:plain f:id:droberthing:20150530120337p:plain

このアニメの因果応報は一貫してますよね。久美子を見てるとそう思います。久美子が自分で決めて積極的に動けば、遠回りでも得るものが返ってくる。そして、周囲も久美子が決めたことを尊重してくれる。5話の梓なんか、ホント神対応だったもん。

逆に楽器を決める時みたいに他人任せに逃げ腰に振る舞えば、結局「ユーフォによろしく」となってしまうし、お姉ちゃんから「またユーフォじゃん」と見透かされたようにトドメを刺されちゃう。実にはっきりしてると思うのです。

f:id:droberthing:20150530132909p:plain

自分で決めるということは、何かを選んで何かを諦めることです。そんなことを恋愛模様で描いているのも面白い。秀一に「行って来なよ。」と不本意ながらも自分でそう言い切った時、久美子はそれを痛感したと思います。

この後、どうなるのかと心配しちゃったけど、やっぱり久美子が自分で決めたことに対しては悪いようにはならない。秀一は葉月より久美子を選び、選ばれなかった葉月はそんな秀一の返事を尊重するのです。

f:id:droberthing:20150530143858p:plain

自分がやりたいことを自分で決めてそれに打ち込む。決めるということは、何かを選んで何かを諦めること。そうやって決めたことは尊重されなくちゃいけない。そんなことを部活や恋愛や友達を通じて経験していけるのが青春時代のよいところだなあ。

さて、運命の赤い糸を手繰り寄せた久美子と麗奈は、これからお互いにどう感化されていくんでしょう。久美子にとって大きなターニングポイントといえるエピソードでしたが、きっと何らかの化学反応が起こるはず。

次回も本当に楽しみです。

FX