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映画「ふくろうの河」とギリアムのあの映画

アニメ感想のブログを始めて9ヶ月くらい経ちました。その間に自分でも変わったなあと思うのは活字に興味を持つようになったことですね。以前の私なら正直なところ気にも止めなかった評論や新聞の読書欄の書評なんかにも目を通すようになったのは、自分が稚拙ながらもアニメ感想を書く身になり、その類いの文体とか表現に興味が湧いてきたからなんだろうなと思います。そんなことが思いがけない小さな発見を呼び込んだうれしい一日の話です。

今朝も私は何の気無しにパラパラと新聞をめくっていたのですが、読書欄のページではたと目が止まりました。それは筒井康隆氏が、短編映画「ふくろうの河」とその原作者のビアスについて書いた記事でした。そこに書かれている映画と原作についての批評は、端的かつ平易な言葉が使われているにもかかわらず、深い表現になっています。ああ、こんな風に書けたら良いのになあと思うのはいつものことですが、今日はそれとは別に映画のあらすじを書いてある部分で「んっ!」とシンクロしてきた脳内映像があったのです。

それは、ギリアムのあの映画のラストシーンでした。もしかしたらこの短編映画が元ネタじゃないのかな?、いや、きっとそうだ。そう思い出したら居ても立っても居られません。今日はいろいろ用事があったけど、気になって気になって上の空だったような。そして、先ほどやっとこさ「ふくろうの河」を観てみたわけです。

筒井氏が書いたあらすじを読んでしまっていたので、ある意味ネタバレの短編映画を観たという点ではなんとももったいないところではありました。それでも「ふくろうの河」という短編は、それを物ともしないほど美しく残酷で衝撃的でした。そして元ネタだろうという思いも確信に変わりました。間違いありません。

あの映画とは「未来世紀ブラジル」です。そのラストシーンの元ネタだと言えば「ふくろうの河」のストーリーも想像がつくでしょうね。どちらもほんとにお薦めの映画です。まあ、ギリアムのは好き嫌いがはっきり別れるところもあるのでなんですけど、「ふくろうの河」はぜひ観てほしいと思います。これぞ短編という醍醐味を味わえますから。

何かうれしい気分の一日だったなあ。さて、元ネタかどうかの裏取りしないと・・・。でも案外と有名な話だったりするのかもしれませんね。

FX