EVERY LITTLE THING

深夜アニメ、音楽、映画、コミックの感想など

へうげもの 6話 感想

名茶会を催すことができる大大名になるべく、佐介は使い番という自らの仕事で武功を立てようと必死です。でもそのために彼がやってることは、今の時代なら立派な詐欺(笑)。当時でもきっとバレたら命は取られかねないし、主君にも泥を塗ることになる恥ずべき行為なんじゃないかなあ。

しかし、それを見ていても嫌な感じになってこない。理由は二つあって、ひとつは騙される方も主君を裏切っているからでしょう。命がけなのもお互い様です。乱世を生き残るためには、どんな階層にいる者でも周囲の動静を感じとり、自分で見極めて、泥臭く強かな人間にならないといけないのでしょうね。

そのことを佐介は「生への執着」なんて仰々しく言っていたけど、このアニメではそれを高遠城の若武者や側室と佐介とのやり取りなんかで笑わせて見せてくれるのがいいなあ。「生への執着」というのは、情けなくって格好悪いんだけど、どうしようもないものなんだっていうのがスゴい共感です。

二つ目の理由は、佐介の物(ブツ)への愛着でしょうか。高麗名物としては偽物なんだけど、加藤景延の作品はそれなりに良い物なんでしょう。佐介にとっては、献上品とするには惜しい一品だったわけです。

糞柿のデタラメな逸話にしても、変に高名な人物を引き合いに出さないだけ、どこかしら本当にこうであったらよいのにという彼の思いが感じられます。そこには、現代の悪徳商法みたいに売る側が商品の価値を認めていないみたいな不毛さはありません。

こうして見ると佐介の交渉術って、彼らしい人間観と価値観から編み出されたもので、彼自身の中ではかなり合理的な内容になっていそうな気がしてきます。でも世の中の人間って、こういう佐介ワールドに収まる者ばかりじゃないですよね。相手を選ばないと蹴り跳ばされることに・・・なるよなあ。

次回も楽しみです。

FX