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へうげもの 11話 感想

宗易と秀吉が仕組んだ本能寺はいかに綿密に計画されたものであったかがわかるお話で面白い。本能寺の変に対して、それぞれのリーダーが現状を分析し決断を下していくのですが、宗易の暗躍や信長の生死を使った情報戦なども相まってどれも説得力があります。それが派手さのない今回のお話をしっかりと引き締めていて好印象です。

6話にあった細川藤孝と宗易との茶席のやり取りは、宗易が光秀の謀反後の動静を見越して藤孝に釘をさしていたということですね。その藤孝は明智光秀謀反の知らせを受けるも、半年前の宗易の言葉を冷静に読み解いて様子見を選択します。実力者なれど権威に固執しない姿や日の本の美の価値観が変わることを予見する彼からは、武将というより文化人・教養人的な雰囲気が漂っていて、武人としてすぐに光秀に味方しなかったのもわかるような気がします。

中川清秀と佐介のやり取りからは、秀吉の周到さが垣間見えてきて面白い。清秀は心情的に秀吉を好かないこともあるのでしょうが、鋭い洞察で秀吉の計略を見抜きかけます。でも佐介が半ば強引に清秀を説得してしまうんですよね。ここで、清秀への三百貫文と佐介への五百貫文の心付けの差がしっかりと利いています。秀吉がここまで見越していたかはわかりませんが、そうとしか思えない描写です。

そんな中、光秀の孤立感が際立っていきます。光秀は大義を持って信長を討った。その大義は周囲に理解してもらえると思っていたし、実際に家康には信じてもらっています。しかしこのアニメでは、大義という綺麗ごとだけで人は動かないと言っているようです。安土城に入った光秀の家臣たちが頭を垂れつつもニヤリとする場面が象徴的でゾッとさせられます。外の大名は信長の影に怯え、内の家臣は欲を秘める。光秀の掲げた大義はそんなに虚しいものなのか、ちょっと考えさせられてしまいます。

ところで「へうげもの」の主人公は古田佐介なんですよね。このアニメはよく作られているので、佐介が勢高肩衝に胸をときめかせなかったのは何かを暗示しているのかな。歴史ものとして面白い話が続いていますが、そろそろ佐介にも活躍してほしいと思うようになってきました(笑)。

次回も本当に楽しみです。

FX