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へうげもの 12−13話 感想

久しぶりに左介が活躍!!・・・と思ったらけっこう重たいお話でした。

安土盛りに続く左介スペシャル第2弾は「大幟旗〜ハートに信」。新しい素材からインスピレーションを得て、さほど迷うことなく自分にとって満足いく創作物を仕上げるところは、彼の持ち味と言ってもよさそうです。

しかし、なんとも素人っぽさが漂う微妙なデザインですよね。そこへドヤ顔の左介の姿。ギャグアニメなら笑うところなんでしょうが、何か中途半端な雰囲気が漂わされています。これは左介の合戦の描写も同じで、雑兵相手に悪戦苦闘する姿は正直かっこ良くはありません。左介は武も数寄もそこそこなれど、けっして特出しているわけではないんだなあ。

そんな左介は、武の道をとるか数寄の道を選ぶべきか悩んでいました。そのことは左介自身にとって重要なことなんだけど、結局は閉じられた自分ワールドの中の妄想でしかなかったということでしょうか。左介は、自分ワールドの外側の凄まじさを知り愕然とします。

信長を討ったのは、何と秀吉。しかもその秀吉の力は圧倒的です。合戦の最中、左介は苦渋の決断を迫られます。主君の敵討ちという大義を持って武人らしく散るのか、主君の敵と知りつつ秀吉に仕えて生き延びるのか。結局、左介は生き存える道を選びました。

秀吉も、光秀も、家康も、武人として己の信念をひたすら貫きとおしています。左介にそれはできなかった。でもいいじゃないですか。それも生き方です。私は、頭を丸めた秀吉を「サル吉だ」と笑い、興味津々ですき焼きを試す自由人な左介の方に魅力を感じます。自分ワールドの外側を知った左介が、それをどう数寄に活かしていくのか。

今後の左介がとても気になりますね。

FX