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へうげもの 14話 感想

死に近づけば近づくほど詫びもまたはっきりとわかってくる。最後の最後まで世のため民のための志を持ち続けた光秀にとって、この死の間際だけが自分自身のため時間だったのかもしれません。でも宗易のいう詫びを噛みしめる光秀の姿に言い様のないやるせなさを感じてしまうなあ。

宗易も光秀を陥れた張本人です。しかも詫びなにするものぞと大量の火薬を本能寺に押し付けて、信長の遺体をきらびやかな名物とともに豪快に吹っ飛ばして、何くわぬ顔で高みの見物をしていた男です。そんな男の唱える詫びが、死に際の光秀を魅了してしまう。光秀が真面目な人物として描かれ続けてきただけに、最期くらいはと思っていましたが、宗易の謀を知らずにいただけでも救われたのかな。

ところで、このアニメの光秀像には正直驚かされました。本当に魅力的な人物として描かれていたと思います。ひたすらに真面目さを押しとおして静かに散った男。そして、あの渋い歌声がすばらしかった。そんなダンディな名優が舞台から去ってしまったのは寂しい。

しかし、レギュラー陣が死ぬたびにヤマ場を迎えるのは、かつての刑事ドラマのようですね。肝心の左介には心境の変化があったようですが、真の主役として活躍するときはいつ訪れるのか。左介の活躍も大いに期待しています。

次回も楽しみです。

FX