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ちはやふる 13−15話 感想

面白いですね。全体のお話を進めながら、各話ともしっかりヤマ場を作って楽しませてくれます。ゆるい回は、ひとつもないというのがスゴいです。そんなそつのなさがちょっと小憎らしい感じすらします(笑)。

ところで、このアニメの魅力って何でしょうね。私が最初に惹かれたのは、千早たちの真っ直ぐさとか清々しさだったように思います。でも最近はそれ以上に感じていることがあるのです。仮に今、このアニメの魅力は何かと問われたら、千早たちが昨日より今日、今日より明日みたいに継続して成長している心地よさと答えるかもしれません。

しかし、これがくせ者なんだなあ。たしかに成長って、人間が本質的に求めるものなので心地いい。ただ、このアニメがひたすらそれを見せ続けるものだから、私とこのアニメの関係は何だか変な方向に行ってしまっています。何というか、このアニメを見ることで心地よさを感じていたのが、心地よさを得たいためにこのアニメを見るみたいになってる感じです・・・いやホントに(笑)。

それはまるで、豊かさを求めて経済成長を追い続けている現代社会みたいです。そしていつの間にか経済成長していないと我慢できない体になってしまっている。もはや、何のための経済成長なのかよくわからなくなってるけど、止めることが出来ない。そこへやがて訪れる限界。そういう社会に果たして実りはあったのか・・・。

このアニメは最終話までひたすら成長という心地よさを提供し続けられるのでしょうか。もしそのまま走り抜けることができたとして、心地よさ以外の実りを何か残すことができるのでしょうか。なんだか作り手がもっともっとと焦っているような息苦しさを感じてしまうのは、私だけかなあ。

確かに、ここまではエンターテイメントとしては満点に近いと思います。でも、もっともっとという焦燥感から開放されるためには、このアニメならではという何かを積み上げて見せることが必要なんじゃないかと思うのです。どうにも、そのあたりが経済成長のジレンマと重なって見えてしまうんだなあ(汗)。

次回も楽しみです。

FX