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じょしらく 12−13話 感想

最終話のラストが印象的でした。この作品の締めとして完璧だったんじゃないでしょうか。楽屋の喧噪の中、出番が来たマリーさんが楽屋を出て襖を閉める。廊下を歩く彼女の表情はちょっと引き締まります。そして、淡々と高座にあがって彼女は話し始める。最後に覆面が舞台袖の扉を閉めてエンド。

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楽屋では、本音で仲間たちと社会の出来事を笑い飛ばし、自虐ネタやメタ発言で盛り上がる。でも楽屋を出て高座に上がれば、プロの噺家の顔になる。最近は、当事者だけでなく周囲の人でさえ、楽屋と高座の区別がついてない振る舞いや批判が目につく御時世ですもんね。ラストのマリーさんの姿って、キツい社会風刺にもなっているなあと思ったのでした(笑)。

それからこのアニメって、キャラが高座をおりて楽屋に入って来てからお話が始まってましたよね。私たちが楽しく見ていたのは、今更ですが楽屋での彼女たちの姿なんです。だから、マリーさんがその楽屋を出て高座にあがり、扉が閉められたときの終わった感がものすごい。見事な締めだったと思います。

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思えばこのアニメ、最初は微妙な感じだったんですよね。それがだんだんと波長が合いだして、どんどん面白くなっていきました。楽屋で過激な時事ネタや体を張ったギャグを展開するキャラたちが、実は社会人でそれなりに脛に傷を持っていたり、ひとたび楽屋を出たら髪型や服装に気を使う普通の女の子だったりというギャップ感も気に入りました。

それに、彼女たちは実に前向きでした。振られた話題は必ず膨らませて、絶対に腰を折ることはしなかったし、それをメタ的に意識してやってるのが垣間見えていたのも可笑しかったです。このアニメの時事ネタや自虐ネタが素直に笑えたのは、根底にそんな前向きな心意気があったからじゃないかなあ。

じょしらく」、本当に面白かったです。

FX