EVERY LITTLE THING

深夜アニメ、音楽、映画、コミックの感想など

今井哲也『アリスと蔵六』(1)

WEB書籍をいろいろと漁っていたら、ふと目に止まった作品。オッサンと少女が主人公のお話っていうのは、世の中にそれはもう氾濫しまくってますけど、これはちょっとふたりの年齢が離れていて、じいさんと少女のお話です。

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じいさんの名前は蔵六。彼が歌舞伎町のコンビニで出会ったのは、とある研究所から逃げ出してきた少女の紗名。な〜んだ、ありきたりなボーイミーツガールなお話かって思うような出会いですが、そこはじいさんと少女ということで、そういう展開にならないのがなかなか新鮮でした。

上のカバー絵から想像できると思いますが、蔵六は曲がったことが大嫌いな頑固じじい。一方の紗名は礼儀作法どころか箸の持ち方も知らない超能力少女。このふたりが研究所から紗名を追ってきた少女姉妹との能力バトルに巻き込まれちゃう。

街の駐車場をぶっ壊し、道路に大穴をあけ、蔵六と紗名が乗った車も吹っ飛ばされる。そんな派手な能力バトルの結末は、なんと蔵六の一喝とゲンコツ制裁。「きっちり反省してもらうからな、いいか!!!」「はいィィ」という、大人に叱られた子供たちの図に収まるのがなんか微笑ましい。

ここまででツカミは十分。この後、蔵六を始めとする大人たちが紗名を受け止め、彼女もそうした気持ちを素直に受け入れられるようになっていきます。蔵六が歌舞伎町で何をやっているのかとか、紗名の子供らしさとか、そういった描写も伏線や演出が巧みで唸らされたり。

ということで、この作品、現在は3巻まで出ているようなので、続きも読んでみようと思っています。いや〜楽しみです。

 

ところで、蔵六じいさんが乗ってた車がなんと「MINI」だったんですよね。最近はアニメでもとんと見なくなってるので、ちょっとうれしかったりして。

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20年くらい前はちょっとシャレた車として若者に人気があった「MINI」ですが、今ではオッサンどころか、じいさんが乗る車になっちゃってるのかな。ちなみに蔵六はこの後「MINI」を廃車にしちゃったみたいです。 もうこれからの出番はなさそう。残念だなあ。 

FX