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EVERY LITTLE THING

深夜アニメ、音楽、映画、コミックの感想など

話数単位で選ぶ、2014年TVアニメ10選

話数単位で選ぶ、TVアニメ10選」

今年の10選は以下のとおりとなりました。

『Wake Up, Girls!』第12話「この一瞬に悔いなし」
『さばげぶっ!』第5話「昇天!?しずかなるサバイバル」他2編 
『残響のテロル』第4話「BREAK THROUGH」
シドニアの騎士』第4話「選択」 
『スペース☆ダンディ』第21話「悲しみのない世界じゃんよ」 
ソウルイーターノット!』第9話「カボチャ、グローウィン!」 
ノブナガン』第2話「進化侵略体」 
ノラガミ』第4話「しあわせの在処(ありか)」 
『ピンポン THE ANIMATION』第10 話「ヒーローなのだろうが!!」 
蟲師 続章』第14話「隠り江」

ルール
・2014年1月1日〜12月31日に放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。 
・1作品から選べるのは1話のみ。 
・順位はつけない。

 

<各話コメント>

『Wake Up, Girls!』
 第12話 「この一瞬に悔いなし」

脚本/待田堂子 絵コンテ/山本寛、中山奈緒美
演出/山本寛、有冨興二、伊藤祐毅、中山奈緒美
作画監督桂憲一郎石原恵治、普津澤時ヱ門、今岡律之

最終話を飾るのに相応しいドラマチックな王道展開、楽曲の良さも相俟って、WUG のステージが最高に輝いています。そこには何かを声高に叫んだり、感動を押し付けたりする下世話さは一切なし。ただ精一杯やろうという気持ちだけが伝わってくるのが素晴らしい。

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白木も早坂も真夢も志保もアイドルに思いを馳せ、それぞれ自分の信じる道を進んでいます。相容れないところもある彼らですが、根底には同じエンターテイメントの一翼を担うという高い志が感じられるのがすごくいい。

道半ばの WUG に秘められた可能性を「アイドルの祭典2014」を舞台にしてしっかりと描き切った良回だったと思います。

 

『さばげぶっ!』
 第5話「昇天!?しずかなるサバイバル」他2編

脚本/子安秀明 絵コンテ/大久保政雄 演出/松本マサユキ
作画監督/Kim Hyou En、Lee Jong Gyeong、Kim Jong Heon

しっ放しのアレを見られるのは死ぬほど恥ずかしいけれど、詐欺や猫糞には恥じるどころか臆面もなく手を染めてしまう。人の心はわからんものだなあって思っていたら、モモカがさらに斜め上を飛んでいきました〜。

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まさか自分の良心の額を迷わず撃ち抜くとは思わなんだ。そして欲に塗れた善悪無記が風呂場で争い、気がつくとそこは血の池地獄。鬼に容赦なく沈められると、今度はさっきの部室に……。妄想とはいえ、カオス過ぎです(笑)。

 

『残響のテロル』
 第4話「BREAK THROUGH」

脚本/瀬古浩司 絵コンテ/青井小夜 演出/青井小夜 作画監督/岸友洋

ツエルブがリサを攫ってバイクで疾走するシーンが印象的。映像も音楽も素晴らしくて快感が全身を走り抜けたって感じです。で、このまま余韻を残してEDかと思いきや、その後にツエルブがリサを連れてアジトの玄関先に戻ってきたカットが付いてました。

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ナインは「ダメだ!」ときっぱりリサの入居を拒否。まあ犯罪計画を狂わすのは女と昔から相場が決まっています。リサちゃん、ピ〜ンチ!と思いきや、なんと彼女は玄関先で倒れて気を失ってしまう。このまま放っておくわけにもいかず、入居成功? ああ、女ってやっぱり……。

 

シドニアの騎士
 第4話「選択」

脚本/山田哲弥 ストーリーボード/亀井隆

迫り来るガウナを回避すべく行われた推力5の斜め加速。これが映像も音響も素晴らしくて迫力満点。第一噴射口点火時のドゴーンと響き渡る噴射音と青白い炎。居住区の空間を一定方向に散らばっていく巨大な破片。さらに追随しようとするガウナを振り切るべく第二噴射口点火、一斉に進行方向が変わる巨大な破片。いや〜圧巻のシーンでした!

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そしてこれを指揮した小林艦長の姿に惹かれます。緊急事態に直面して、今最も大事なことは何かを判断し、決断し、それをやりきる。「何度も言わせるな」「まだだ…まだ十分ではない…」、大原さんの声と演技がこれまた実にハマっていてゾクゾクしました。

 

『スペース☆ダンディ』
 第21話「悲しみのない世界じゃんよ」

脚本/渡辺信一郎 絵コンテ/名倉靖博 演出/名倉靖博 
作画監督伊藤嘉之、稲留和美、久保田誓

『スペース☆ダンディ』には好きな話がたくさんあるのでホント迷いましたが、ひときわ不思議なこのエピソードを選びました。なんだろ、幻想的というか、神秘的というか、一言では言い表せない世界観に圧倒されます。

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死後の世界は悲しみのない世界だけど、それは喜びも楽しみもない世界でもある。そんな世界をダンディが好むはずはなく、ポーに他の次元に飛ばしてもらったわけだけど、再びポーの元へ戻ってきたダンディ。俺に惚れた女をひとりにはさせねぇってことでしょうか。死んでても生きてても俺はオレ…ダンディらしいなあ。

 

ソウルイーターノット!』
 第9話「カボチャ、グローウィン!」

脚本/森江美咲、橋本昌和 絵コンテ/三條なみみ 演出/小森秀人
作画監督/世良コータ、今田茜、田中誠輝、秋山英一

この第9話は四つの短編で構成されていて、それぞれの短編の繋ぎに歌が挿入されています。ハロウィンで使うカボチャの苗を植えて、水遣りの時に三人で歌ってるんですけど、これが素直な感じでスゴくいいんだなあ。

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短編の方もほんわかとした緩さ加減が心地よく、気楽に笑えるお話になってます。特にめめちゃんの忘れっぷりが炸裂してる「ぼうきゃく!」はお気に入り。このめめちゃんの忘れっぽさと水遣りの時の歌が、後でちゃんと本筋と絡むのもグッド。

 

ノブナガン
 第2話「進化侵略体」

脚本/山口宏 絵コンテ/古田丈司 演出/京極尚彦  
作画監督/高瀬健一、福島勇 メカ・アクション作画監督/高瀬健一 
総作画監督/KAZZ・T・びゅうん!

この世の中は誰かのおかげで成り立ってる。その誰かの役割は、ある日突然自分に回ってくるかもしれません。その時、とても無理だと逃げ出してしまうのか、リスクを背負って全てを受け入れるのか。

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病室での浅尾さんとしおの会話が素敵です。苦悩を吐露して泣いているしお。浅尾さんは、様子を見ながら言葉を選びながら、しおを少しずつ受け止めていきます。ラストシーン、DOGOO の車に乗り込む直前にしおの携帯に届いた写メ。浅尾さんの気遣いが感じられて泣けます。

 

ノラガミ
 第4話「しあわせの在処(ありか)」

脚本/福田裕子 絵コンテ/寺東克己 演出/中村里美 作画監督/諏訪真弘
総作画監督/山崎秀樹

なるほどー小福は貧乏神だったと(笑)。おバカキャラ全開と思いきや「ちょーっと遊んだけど。」だなんて明らかに確信犯です。しかもそのちょっとで会社は倒産、遊ばれた男は自殺に追い込まれるという恐ろしさ。

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この容姿とキャラは、貧乏神が現代社会に生き残るために辿り着いたひとつの進化形なのかもしれません。資本主義経済がもたらす競争を勝ち抜き、自分の居場所を確保するために夜トなんかも必死だもんなあ。というか、神様の世界はいつから経済成長のシステムに取り込まれちゃったんでしょうね(笑)。

 

『ピンポン THE ANIMATION』
 第10 話「ヒーローなのだろうが!!」

脚本/湯浅政明 絵コンテ/湯浅政明 演出/EunYoung Choi 
作画監督/伊東伸高、浅野直之、戸田さやか、西垣庄子

見終わった後、素直に涌き上がってくる気持ちが心地よい。自分の人生を肯定し、明るく前向きに何かに取り組んでみたくなる。この作品は、誰もが根源的に持っている生きる喜びみたいなものを引っぱり出してくれるんだと思います。

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で、悩んだ末に選んだのが10話です。ペコはドラゴンを空へと連れ出し、ふたりは「めたくそ楽しい」卓球を打った。そこは才能のある者だけが行くことのできる高みでもあったのかな。最初はペコに激高していたドラゴンが次第に夢中になっていく。そんな試合描写が本当に素晴らしかったです。

 

蟲師 続章』
 第14話「隠り江」

脚本/長濵博史 絵コンテ/長濵博史 演出/大久保富彦 
作画監督/飯飼一幸、関口雅浩、津熊健徳

どの回も10選候補といってもよいくらいハズレ回がない作品ですが、この続章は人間の心の奥底に蠢く闇を取り扱ったお話が多かったように思います。そんなわけでちょっとライトな第14話を選びました。

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何と言うか、持病とうまいこと付き合っていくにはどうしたらよいか、みたいにもとれるお話なんだけど(笑)、やっぱり蟲の繋がりより人の繋がりですよね。ゆらが時折みせる茶目っ気がなんとも微笑ましい。そして何より背景の美しさが絶品。

 

今年もいいお話が多すぎて選考が大変でした。
それでは皆様よいお年をお迎えください。

FX