面白かったです。特に三年生の、あすか、晴香、香織、葵の描き方には思わず唸ってしまいました。ちょっと決めつけ過ぎな感はあるかもしれないけれど、それぞれ典型的な生き方を体現した人物像になってるんだよなあ。
あすかは、自分が大切にしているものをハッキリと自覚しているように思えます。何を選んで、何を捨てるか、判断基準がしっかりしてるし、冷静にトレードオフを評価して限られたリソースを効率良く投入できる。きっと最も成功しやすく、後悔しない人生を送るタイプでしょう。
晴香は、頼まれたら断るのが苦手で不本意でも引き受けちゃう。でも人並みにこなせる能力は持ち合わせているから、時々「なんでこんな目に会うの!」と思いつつ、必死にこなしていく。こういう人って、最後に後悔するかしないかは、周囲の人に感謝されたり、そんな生き方を肯定してもらえるか否かにかかっていますよね。
香織は、あすかのような生き方をしたい。でもそこまではできないと自覚しているから、部の存在が必要だと考えてる。だからこそ部長を引き受けた晴香に感謝しているし、晴香が困っていればフォローに入る。一見していい人だけど、最後の最後には自分を最優先する子のような気がします。
葵は、吹奏楽部に未練を持っていますよね。葵が「去年あの子達やめるのを止められなかったのに、そんなことできない!」とスジを通して退部したことは、手のひらを返して全国を目指すことにした部にとって、ある意味禊になっているのかもしれません。これは美しい生き様なのか、はたまた自己満足に過ぎないのか。
彼女たちは、そんなことをお互いにわかった上で連帯感を保っている。およそ普通の高校生とは思えないほどの大人びた人物像と人間関係だと思えるのは、私が過ごした学生時代と比較してしまうから。こんなことを意識して日々を過ごしてなかったし(笑)。
新しく最初からスタートしようとした久美子も、結局リセットできずに以前からの問題を抱えたままのようです。最初は弱小校が全国を目指すジャイアントキリング的なお話かと思って観ていたけど、思った以上に厚みのある群像劇がメインな感じですね。
次回も本当に楽しみです。