みつどもえ 12話 感想
ひとはがクラスメートに囲まれてガチレンの話に花を咲かせている。ついにそんな日がやってきたんですね。みっちゃんも徐々に学校での自分の居場所ができつつあるし、おがちんもなんかすごかったんですが、やっぱりひとはが面白い。
「何か、下腹部に固いモノがついてたんだ。」と宮下が口走った時には、まさかひとはがカミングアウトする展開になるなんて思ってもいませんでした。意表をつかれた上に、ここからの流れが本当に素晴らしかったです。
「もう、ろくでもない勘違いされるのは嫌だ。バカにするがいい、笑えばいいよ。それでも私は、ガチレンジャーが好きでしょうがないの!」
ひとはは、体操服をまくってガチベルトをみんなに見せ、ガチレンジャーが好きという思いをはっきりと公言します。以前は勘違いのすれ違いで諦めてきたことも、今ならできる。ひとははガチレン好きを通して、ひとつ自分自身の強さを身につけたようです。今回のひとはは逃げたり諦めたりしません。
そして、ひとはの思いをクラスメートが受け止めてくれます。そのひとり一人の言葉が聞いていてうれしくなるんですよ(かなり私的妄想が入ってるけど)。
「それ、知ってるぜ。」「ガチの怒りを受け止めろ、だろ。」
ひとはの重い言葉を受けとめる最初の一言というのは、場の雰囲気と方向を決める意味で重要だと思います。それをひと呼吸置いてすぐ引き受けたのが、千葉氏です。知ってるよってすぐ肯定するんですよね。
彼は、エロ命ですからあんまりガチレンジャーのことは知らないと思うんです。二言目がホントに知ってること全部じゃないかなあ。でも真っ先に思いを受け止める。自分のエロ命と通じる心を感じたのかもしれません。とにかく優しいですよね。とてもひとはに秘技を施そうとした人物とは思えません(笑)。
「ああ、大人も楽しめるとかって、話題になってるよなあ。」
千葉氏に続いた佐藤の言葉です。これがこの後の吉岡と杉崎の言葉を引き出したんでしょう。ここにいるのは全員6年生です。ガチレンジャーなんて幼稚だと思うのが普通です。でもこの佐藤の一言があれば、ガチレン好きの人は恥ずかしがらずに発言し易くなりますもんね。何とも思慮深い言葉じゃありませんか。
「三女さんも好きだったんだ。わたし、ブラックが好きなの。」
吉岡さんが言ってくれます。彼女はガチレンが好きなのか、ブラックの俳優が好きなのかわかりませんが、本当に好きなんですよね。だから好きって言う。そんな人が気持ちを口にすれば、それが自然に周囲に伝わり広がっていくもんです。
「なんとなーく、観ちゃうのよねえ。」
これ杉崎が言うんですよ。これって、以前に7話だったか同じようなことを言ったことがあって、みっちゃんに馬鹿にされてたんですよね。今、真横にみっちゃんがいるんですけど、そんなの全く気にしないで言っています。杉崎、ホントにいい子だなあ。
この後は俺も私もとガチレンの話が広がっていきます。ひとはがガチレン好きだったなんて、みんな知らなかったんだから、ひとはが話の輪の中心になるのは自然なことですよね。ひとはの周りに人の輪ができているのを知ってか知らずか、話を無理に止めさせない矢部っちもいいじゃないですか。
最後に校舎を飛び立つ鳥たちが、今回は何とも清々しい。1話から少しずつ積み上げてきたひとはの物語は、ひとつの区切りを迎えたようです。私にとっては、本当にうれしいことなんだけど、少しだけ寂しさも感じてしまうなあ。
なぜそうなのかって?・・・・それは察してくださいよ(笑)。
ところで宮下です。鬱陶しいけど悪い子じゃないんですよね。それが最後までひとはに睨まれてがっくりと膝を折ることになっちゃったから、まだまだこの状態は続きそう。
それから、このエピソードでエンディングのひとはと宮下の夢のわけがわかりました。結局、そのまんまだったんですね(笑)。
次回は最終回、いつもどおり楽しみにしておきます。