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俺の妹がこんなに可愛いわけがない 5話 感想

面白かったです。今回のお話もヤマ場、見せ場がしっかりとあるし、登場人物の魅力もじわじわと増してきた感じ。とくに私的には、桐乃株が急上昇です。

<京介が妹思いな理由>

京介が妹思いなわけ、何となくわかってきたように思います。妹がどんどん可愛く見えてきたからですね。妹が少しずつ心を開いてきてくれている。妹が自分を頼りにしてくれている。妹がこちらを見て微笑んでくれる・・・。

助けを求める妹の眼差しが、「あんた、何とかしなさいよっ。」とキツく睨みつける目つきであったとしても、「えぇ〜っ、ここで俺っすか?」と、実はかなりうれしい。それが証拠に「妹とデート、まあそんなところだ。」「俺と妹は愛し合っているんだ。」「俺は、妹が大好きだー。」とこの機に乗じて調子に乗り過ぎの京介です(笑)。

桐乃との距離感が少しずつ縮まってきてる感覚が素直にうれしいんでしょう。自制ができず、無意識に溢れ出しちゃってる気がします。でも、口走っている内容は単なるうれしさの表現であって、恋愛感情ではないんでしょうね。

ただ京介氏、自虐芸は抑えた方がいいですよ。自己評価が低すぎです。そこまで自分を貶めなくても・・・・もっと自分を大切にしよう、面白いけど(笑)。

<桐乃の健気さと気丈さ>

桐乃の魅力がわかってきました。あやせとの一件で動揺する桐乃ですが、翌日からの合宿については「これはこれ」で頑張るんです。自分が選抜された意味も十分に理解した上で当たり前のように頑張ってる。彼女には、これ以外にも勉強や仕事だってあるんですよね。

彼女にとっては、どれもが大切なものだから頑張る。でも彼女はいっぱいいっぱいのようにも見えます。何でも完璧にこなし続けることは、正直しんどいことも多いと思うんです。投げ出したくなったり、甘えたくなったり、ちょっとした失敗がこぼれ落ちてしまったりすることもあるでしょう。

だから桐乃の兄に対する傍若無人な態度なんかは、頑張る彼女からこぼれちゃったものなんですよね。京介に人生相談するまでは、そんなのも自分一人で耐えてたんじゃなかろうか。そんな桐乃に健気さを感じてしまいます。

あやせとの一件の後、シャワーを浴びながら何かをグッと堪えている桐乃の姿が印象的です。あやせから絶交宣言されたショック、黒猫たちを傷つける言葉を口走ってしまった後悔。それでも翌日に桐乃は気丈に合宿に出かけていくんです。

「あいつにもちゃんと謝らせるよ。」京介は沙織に言ってます。でもね、桐乃はそこまで何から何まで完璧じゃなきゃいけないの?、って思ってしまう。謝るのは当たり前のことかもしれないけど、桐乃が頑張ってきたことをどっかに置いたまま、杓子定規に「謝るべきだ。」なんて京介には言ってほしくないなあ。

<京介と桐乃、最後まで責任とってよ>

合宿から帰ってきた桐乃と京介の言い合いが微妙にすれ違っていて面白いです。

京介は、あやせと桐乃の仲直りに協力しようと思ってますが、その真意は少し調子に乗ってる自分の満足のためであって、桐乃がしんどくなったときの支えという意識は薄いように思えます。そうでないなら、今まで頑張ってきた桐乃に対して「らしくない。」「あがけ!」なんていう言葉は出ないはず。

桐乃は、京介の言葉に自己満足を感じとったんでしょうね。人生相談の相手に選んだ兄貴がまだ上っ面しかわかってないことに苛立って、股間を思いっきり蹴り上げちゃう。このまんまでいいわけない。そんなのわかってる。こんな渦巻く感情の中でも兄に頭を下げて協力してもらう方がよいと最終的に判断する桐乃ってスゴいんじゃないかと思います。

「それをさっさと言え、バカ。」なんてこの場が収まったのは、兄の無神経なアプローチに対して、妹が一生懸命に大人の判断をしてくれたからなんですよね。

<気になるキャラたち>

ところで、二人のやり取りにまたまた「地味子」という言葉が・・・。あんまり登場しないので存在感の薄い彼女ですが、実は京介にも桐乃にも何か深〜い影響を与えているようですね。とても気になります。

黒猫の「人間って不自由な生き物ね。」というつぶやきが深いです。桐乃は大切なものを全て捨てられず、それぞれの顔を使い分けてきましたが、ついに使い分けできない壁にぶつかって悩んでいるわけです。もしかしたら黒猫は、そんな桐乃の悩みをすでに経験して自分なりに折り合いをつけた人なのかもしれません。

あやせも素晴らしい。いきなりエロい同人誌を見せつけた京介の三文芝居の真意をくみ取り、それに乗じて桐乃と仲直りするなんてなかなかできることじゃありません。ラストの京介へのメールなんてユーモアたっぷりで、この娘もホントに魅力的だなあ。ついでに「だって逃げたじゃない、逃げたでしょ、逃げたよね。」っていうのもアニメキャラとしては嫌いじゃないですよ(笑)。

一方、他のキャラから京介に目を転じてみると、なんだか京介だけが目立って地に足がついていない感じがします。京介自身の姿がぽっかりと見えないからですね。このアニメ、どうやら京介のことをきっちり描いてくれそうな気がしてきましたよ。

というわけで、次回も本当に楽しみです。

FX