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それでも町は廻っている 五番地 感想

今回のお話も面白かったです。特にエビちゃんと猛のデートのお話が気に入りました。何ということのない日常描写に笑いを織り交ぜつつ、この年頃の女の子と男の子の姿がしっかり描かれていたと思うんです。

<おませなエビちゃん

この年頃の女の子はおませさんですよね。エビちゃんの頭の中にはちょっと思い描いていたものがあったんでしょう。好意を持っている猛とそんな体験をしてみたいと思ったのかもしれません。日曜日に彼女は猛の家に遊びに行きました。

そんなエビちゃんですから、お互いを名前で呼び合いたい、猛にはボクじゃなくてオレと言ってほしいと実にはっきり注文しています。そして「チョコメロン」のアイスや「オレの行きつけの店」の駄菓子屋なんかは、思い描いていたとおりに猛が自分を特別に扱ってくれている感じがしたのでしょう。とてもうれしそうでしたよね。

<微笑ましいすれ違い>

一方、この年頃の男の子の方は、まだ女子に興味がないみたいです。というか、女子と仲良くしてたら大事件なっちゃうんだ(笑)。猛はとりあえずエビちゃんを無難にやり過ごしてしまいたかったんですよね。

エビちゃん的にうれしかった「チョコメロン」は単に一番上にあったやつなんです。エビちゃんのために選んだわけじゃない。しかもこれがもし「ガリガリ君」だったらかなり微妙だったかもしれません。これは運がよかっただけなんです。

「オレの行きつけの店」も何とかエンカウンター率を下げるため、男子のお小遣い使用状況も読みに入れて猛が考えた苦慮の策なんです。決してエビちゃんに喜んでもらいたかったわけではないんですよね。

そんな二人のすれ違いなんですけど、小学4年生だと何故か微笑ましく見えちゃう。でもこれって、エビちゃんが勝手に勘違いしてうれしく思っているということなので、ちょっと彼女が可哀想に思えてきますよねえ。

<女の子の魔法、通じ合った気持ち>

VIPルームでエビちゃんは自分が買ったカードを猛にあげるんです。アイスのお礼かな?、きちんとした子ですよね。そのときの最後の方の会話がこれです。

「猛くん、それ大事にしてよ。」「あ、うん。」
「交換とか、しないでよ。」「ああ。」

実のところ猛はカードを交換しようと考えていたんですよね。だから彼の返事は彼女に気を使って言ったものなんです。でもそんな猛の返事を聞いて、やっぱりうれしそうなエビちゃんなんですよ。ああ、もどかしすぎます!(笑)。ところがこの直後に劇的な展開が待っていました。

彼女の微笑みとちょっとした仕草に、女の子の魔法がかかっていたんです。

(ずいぶん学校と違うよな・・・。)

猛がエビちゃんの女の子らしい可愛さにふと気づけた瞬間です。

「オレ、このカード使わない。」「なんでー、強いんじゃないの?」
「他のと混ざってわからなくなったらいやだから。」

今度の言葉は猛の本心なのでしょう。そして、それはエビちゃんにとって、思い描いていた想定の上を行く言葉でもあったんですよね。エビちゃんのうれしそうな顔ったらもう・・・。

<やっぱり小学4年生男子なんです>

気持ちが通じ合って、すっかりエビちゃんと仲良くなった猛です。でもこのまま大人への階段を上がるはずもありません。翌日、エビちゃんからパンチをくらっちゃうんですよね。ラストは、「オレ、何かしたかなあ。」「女ってヤツが・・わからない。」と、おませな台詞で悩んでる小4男子の姿が爆笑なのでした。

10才くらいの女の子が放つ魔法。今まで女の子に興味がなかった男の子がそれに気づけた瞬間。まさかこのアニメでそういうお話が楽しめるとは思ってもいませんでした。それがさりげない描写なのも好感。いや本当に最高でした。

どんどん面白くなるこのアニメ、次回も大いに期待していますよ!!

FX