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俺の妹がこんなに可愛いわけがない 12話 感想

何とも納得いかない最終話でした。でもこのアニメの見方がやっとわかった気がします。これは、決して明かされることのない京介と桐乃の心の内を想像して楽しむアニメなんですよ。

それはまさに王道の少女マンガみたい。どちらかが告白したら終わりってヤツですね。そんな要素をベースに今流行の設定を取り入れてお話にするとこうなりますという感じが、なんだか今時の多機能デジタル家電みたいです。

この最終話の結末を桐乃が望み、京介が決断して導いたものであったなら、そこそこの納得はできたかもしれません。でもそうはなりませんでした。それどころか、この結末を京介も桐乃も望んでおり、それを桐乃が決断して導くという予想外の展開が待っていたんですよね。

しかも、桐乃の決断の経緯は明らかにされません。京介もただニコニコしているだけで、台詞もモノローグもないんです。これはもう、作り手が明らかに意図してやっているんですよね。そして私はといえば、京介と桐乃はどう思ってるんだと気になってしまうわけです。

そう、この「気になる」がこのアニメのポイントなんでしょうね。それを楽しめる人には面白いアニメだし、作り手側は「気になる」をいかに持続させるが勝負なんでしょう。

実際、このアニメは「気になる」を持続させるためかどうかはわかりませんが、今流行の設定が散りばめられているように感じます。萌えキャラ、おたく、エロゲー、妹、・・・などなど。

さらに言えば、以前「6、7、8話 所感」で書きましたけど、「化物語」阿良々木さん、「とある魔術の」上条さん、「Angel Beats!」音無さんなんかと同じ属性を持つ主人公とか、ある日突然女の子が現れて主人公のそばに居着くというのをリアルで実現した妹という設定なんかもそうなんじゃないでしょうか。

この何でも詰め込んである感じが多機能デジタル家電みたいに思っちゃうところです。でも、もちろんそんなことばかりではなく、このアニメのお話はヤマ場や見せ場がきちんとあって、基本的に面白いんですけどね。

俺の妹がこんなに可愛いわけがない」なんだかんだで興味深いアニメでした。ところでこのお話、別ルートの配信があるようですが、そこでは京介と桐乃の心情が明かされることになるんでしょうか。視聴者を唸らせる結末としてそれを提示するのはとても難しいという気もします。

とりあえず、配信も視聴はしようと思います。

FX