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へうげもの 7−8話 感想

茶席でのやり取りで描かれる大人の作法がいいですね。光秀や家康クラスになれば、その一挙一動は周りに対して大きな意味を持つ。夜お忍びで詫びに来た家康の意を察すれば、光秀の性格からして茶席の落としどころは無礼を水に流すとなりますよね。この時点で安土城での騒動の決着はすでに両者暗黙の了解となっていたんでしょう。

そして茶席ではどちらも本音を打ちまけてるんだけど、けっして建前を崩したり相手のメンツを潰したりしないところも大人の作法です。ただ光秀と家康では年長者の光秀の方に一日の長がありましたね。少し血気盛んな面を持つ家康に対して、領主としてかくあるべきと諭す余裕と懐深さがありました。

特にあのタイミングで足袋を差し出されたら、家康も受け取らないわけにはいかないでしょう。光秀らしい若手指導の仕方であり、人心掌握術なんじゃないでしょうか。一方の家康もそうした光秀の意図をいちいちくみ取れているわけですからさすがです。光秀の本音をいきなり聞かされた際も、しばし沈黙の後に「うまい茶にござった。心のこもった持てなし忝のうござる。」と何とか返答して頑張ってます。

しかし光秀や家康クラスになると、こうしたやり取りはホントに気を使うんでしょうね。これができるかできないかで自分や相手の評価も定まりそうな感じですが、これが史実なら今の時代も変わらない気がします。信長のように突き抜けたリーダーは別として、普通のリーダーであれば身につけておかねばならないスキルなんじゃないでしょうか。

宗易から「少し、吹雪いてまいりましたな。」と言われれば、吹雪いてなくとも意図を察して障子を閉める。これくらいサラッとできないようでは、たぶん出世するのは難しい・・・なんてね(笑)。

次回はいよいよ本能寺でしょうか。楽しみです。

FX