へうげもの 15話 感想
「非情? 努力と申せっ。」という秀吉の言葉は、彼の立場と心境を如実に表していると思いました。
秀吉は天下を取るべく綿密な計画を立て、ときに危ない橋を渡り、ときに体も張ってがんばってきた。彼自身にしてみればものすごく努力して、その結果、天下人に登り詰めたわけです。
一方、秀吉との競争に敗れたり力尽きてあきらめた者は、秀吉には敵わないとなるのですが、自分は精一杯やったと思いたいので努力以外のところに秀吉との差があったのだと考えることが多いのでしょう。それは運であったりするのですが、左介の場合は秀吉の非情さでした。
そんなわけで秀吉に対して努力したと評する者はほとんどいない。あるとすれば、秀吉より立場が上の人が「よく頑張ってくれた。」と努力を認めてくれることなんでしょうが、秀吉が一番なのでそんな人もいない。
信長の言葉「ダール・イ・レゼベール」を思い出してしまいました。秀吉にとって、佐介はそんな関係になれたかもしれない一人だったはず。その彼を恫喝しなければならなかった秀吉の心境やいかに。ようやく泣けた秀吉は本当に孤独です。
ところで宗易は今回もやってくれましたね。安土城天守閣を豪快に燃やしちゃうなんて。「渋い」とのギャップがありすぎて、ホント怖いじいさんです(笑)。
次回も楽しみにしています。