EVERY LITTLE THING

深夜アニメ、音楽、映画、コミックの感想など

うさぎドロップ 8話 感想

このアニメの男性と女性の描き方は面白いです。男性はこだわりがなく合理的で要領がいい。逆に女性はこだわりが強くて不器用です。だから壁にぶつかった時、それを乗り越えたり自分を変えたりするのに苦労する。ああ、女性も男性のように生きられたらいいのに・・・なんていう思いを感じるけど書きすぎかな(笑)。

でもたしかにこのアニメの男性陣はこだわりがない。大吉はりんを引き取るためにすっぱりと生活を変え、引きずることもありません。正子のアシスタントの恋人も、必死な正子に対して「今ちゃんと食えてんだし、ガツガツすることないって。」とこれまた言い過ぎなくらいこだわりがない。じいさんの家を引き継いだおじさんがりんどうを抜いて庭に石を敷き詰めたのも、空き家に雑草を蔓延らせないためで合理的です。

一方の女性陣はこだわりが強いです。正子はりんを捨て仕事を選びましたが、りんのことはちょっと引きずっています。だから仕事が修羅場な時など、自分の選択が正しかったのかと決意が揺らぐことがあるんでしょうね。その気持ちを乗り越えるために無理やり仕事を増やそうとする姿は、自分の決断にこだわり過ぎていてなんとも不器用です。

7話の春子も同じですよね。彼女は仕事でなく結婚を選びました。ところが思っていたのと違って、夫の親との同居はうまくいってくれない。たぶん彼女は女の子のままでいられると想像していたのでしょう。そこへ嫁・妻・親としての役割を求められも彼女は変われなかったのかもしれません。そんなこだわりを捨てきれないまま、鬱屈した気持ちに蓋をして暮らそうとする彼女もやっぱり不器用です。

うーん、明らかに女性の方が泥臭く描かれていますよね。この男女の描かれ方の差って何でしょう。男だってこだわることがあるのに・・・。もしかしたら社会に出た女性はアイデンティティー獲得に必死にならなきゃいけないと強調したいのかなあ。以前のお話で、女姓は結婚したら姓が変わるからというのがありましたけど、男性と違って女性にとっての姓は不確かなもの。それゆえ女性は家を出て社会に飛び出したら、確固たるものへのこだわりが強くなるものなのかもしれません。

何だか目線の違いに気づかされた感じで面白いです。でもこだわりの泥臭い男性ってのは登場しないんだろうか。

次回も楽しみです。

FX