EVERY LITTLE THING

深夜アニメ、音楽、映画、コミックの感想など

ちはやふる 18話 感想

このアニメの試合描写はホント秀逸だなあ。毎回、競技かるたの魅力や奥深さを織り込んで、それを試合の面白さとして見せてくれます。対人競技ならではの駆け引きも、それぞれの持ち味が発揮されていて見応えがありますよね。でも、今回のお話でそれ以上に目を引いたのは、試合後に千早が金井さんに話しかけた場面かな。

千早にとって、金井さんとの試合は気づきを与えてくれたエポックメイキングな出来事だったと思います。金井さんをわざわざフルネームで呼び止めて、特別な人としてお礼が言いたかったんでしょう。ところが、金井さんはあんまり千早のことが印象に残っていなかったようですね。金井さんにとっては幾度も経験してきたありふれた試合だったのかもしれません。

千早は「クイーンになりたいんです。」と唐突に自分の思いを金井さんにぶつけます。これが何とも千早らしいですよね(笑)。実はこのときの千早って、金井さんを単なる年上の人だと意識していたように思えます。そして漠然と「あらそう、頑張ってね。」とか「あなたなら、きっとなれるわよ。」みたいな返事を期待していたんじゃないかな。

ところが、金井さんは「あらやだ、私だってなりたいわ。」と返してきます。「えっ?」となる千早。きっと想定外の言葉だったんでしょう。さらに金井さんは「私は、かるた歴35年、今でもクイーンを目指している。」と続けます。「勘違いしないで、私はあなたのライバルなのよっ。」と千早を暗に諭してますよね。そして自分の子供たちでさえ「私もクイーンになる。」と言えば、やっぱりライバルになるんです。

この千早と金井さんのやり取りは、競技かるたの世界にとどまらず、学生の目線と社会人の目線の違いみたいなものが感じられて面白かったです。高校生の千早にとって、年上は親か先生くらいしかいないですものね。でも社会に出れば、年齢なんか関係なく人付き合いもあるし競争だってあるわけです。千早はそれを実感したんじゃないでしょうか。これからも千早は競技かるたを通して自分の世界を広げていくんだろうなって思えて好きな場面です。

ところで試合の方は、西田と太一、かなちゃんと机くんがまさかの決勝対決で白熱していますね。もう誰が勝ってもいいと思うのですが、ここはやっぱり和服での所作が美しいかなちゃんにがんばってほしいな(笑)。

次回も本当に楽しみです。

FX