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さんかれあ 10−12話 感想

うぁ〜暗いっ・・・この救いのなさはどうよ・・・なかなかお目にかかれない鬱度120%のエンディングでした。このアニメのシリーズ構成は高木登さんですよね。この方は「地獄少女」でも指折りの鬱脚本を手掛けていましたが、それを彷彿とさせるお話だったと思います。

このアニメには常にある種の悲しさが漂っていて、その中心にはいつも礼弥がいました。それは、彼女が儚い存在であったこともあるけれど、それ以上に近しい人たちが彼女を礼弥として見てくれていなかったことがあると思います。

暴君であった礼弥パパは亡き妻の面影を重ねていたし、千紘だって最初はゾンビ萌えシチュエーションを重ねていました。さらには萌路ちゃんからは亡き母を、ボケボケのじいちゃんにはサダ?の面影を重ねられちゃうんですから(笑)。

もちろん礼弥を礼弥として見てくれた人もいるにはいました。亜里亜と蘭子ですよね。でも残念なことに、二人には礼弥が疎ましい存在だったわけで、礼弥自身にとっては自分の存在が肯定されたわけではないんだなあ。

たぶんこのアニメに漂っている悲しさというのは、そんな礼弥の諦めの気持ちなんでしょうね。そして彼女に救いの手を差し伸べることができるのは千紘だけだと持っていたら、意外にも蘭子がやってくれました。

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しかし、これで好転しないのがこのアニメです。逆に千紘のジレンマが大きくなってしまうなんて。彼は礼弥を救いたいと思っていて、その気持ちは礼弥パパと対決するまでは正しい方向を向いていたはずなんです。しかし、対決に勝利した後でその責任の重さを実感しはじめると無力感に苛まれはじめます。

何のために礼弥パパは米国に飛んだのか。何のために千紘に礼弥を預けたのか。千紘は礼弥のためにできることをやればいいはずなんです。なのに彼は礼弥の体の腐敗の進行を止めることばかりを考えてしまう。皮肉にも礼弥が残された時間を自分らしく生きようとすればするほど、千紘のジレンマは大きくなる。

最後のシーン、千紘と礼弥の縮まらない距離感が泣けます。なぜそうなってしまったのか。お互いに正直な気持ちを話したのに、その距離をつめようとしない千紘と礼弥。悲しすぎます。

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「しょうがねえな。」「仕様がないですね。」

千紘は「礼弥と幸福と不幸を分け合った気がした」と言いました。この言葉の意味、私にはよくわかりませんでした。礼弥の崩壊が進行することでお互い救われることがあるってことでしょうか。それとも千紘もゾンビに感染して運命共同体になったってことでしょうか。

いずれにしたって、救いのないことにかわりはありません。高木脚本の一面ともいえる鬱全開の締め。これってキツい・・・けど、私的にはありなんですよね。

「さんかれあ」面白かったです。

FX