JUDY AND MARY「POP LIFE」〜 透明で悲しい世界
「JUDY AND MARY(ジュディマリ)」が好きで、今でもよく聴いています。解散して十年以上も経つのに、どうしてこう何度も聴きたくなっちゃうのか。理由はいくつかあるんですが、まずは何と言っても YUKI ちゃんがカワイイ!(笑)。次に YUKI ちゃんの声質と歌のうまさ。そして、楽曲に漂う「透明感」や「悲しさ」みたいなものに惹かれてるんだと思っています。
この「透明感」や「悲しさ」みたいなものは、バンド後期の楽曲に強く感じられるようになってくるものです。初期の明るくて弾けるような女の子の気持ちは歌った曲には、何と言うか手を握ったときにちゃんと柔らかな感触が伝わってくる感じがありました。それが後期の曲では無味無臭さがだんだん増してきて、女の子の実体は薄くなり、どこかしら概念の世界に消えてしまったようなようになるのです。
私がジュディマリを好きなのは、つまるところ、この「透明で悲しい世界」に放り込まれた YUKI ちゃんを見てるのが楽しいからかもしれません。この辺は、美少女が登場するファンタジー・アニメと相通ずるものありそうです。そして、それがマニアックなものにならなかったのは、ビジネスとしてポップであり続けた絶妙なバランス感覚があったからでしょう。
アルバム「POP LIFE」は、ジュディマリの「透明で悲しい世界」の魅力が際立ってる名盤だと思います。その世界を YUKI ちゃんは楽しんでいるし、スタッフも YUKI ちゃんで遊んでる。
それはアルバムの楽曲だけでなく、ビデオクリップからも感じられます。「ミュージック ファイター 」「手紙をかくよ」「LOVER SOUL 」のPVなどは、今見ても本当に面白い。こういうのって、十年くらい経って見直すと痛い作品になってしまうことが多いけど、その一歩手前で踏みとどまってるところにセンスを感じます。
ジュディマリは2001年に解散してしまったから、もしかしたら若い人は知らないかもしれませんね。興味がある方はぜひ聴いてみてください。ホントおすすめのバンドです。