EVERY LITTLE THING

深夜アニメ、音楽、映画、コミックの感想など

話数単位で選ぶ、2013年TVアニメ10選

今年も選んでみましたよ。

・イクシオンサーガDT  24話 「K1(Knighthood)」
・有頂天家族        6話 「紅葉狩り」
・境界の彼方       11話 「黒の世界」
・京騒戯画         2話 「やってきたのは妹」
・キルラキル        4話 「とても不幸な朝が来た」
げんしけん二代目    11話 「いい最終回だった」
・進撃の巨人        1話 「二千年後の君へ ―シガンシナ陥落 (1)―」
・ステラ女学院高等科C3部 4話 「不射ノ射ヲモチ当タルベシ。」
たまこまーけっと     9話 「歌っちゃうんだ、恋の歌」
波打際のむろみさん    2話 「伝説の海獣とむろみさん」

ルール

・2013年1月1日〜12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品から選べるのは1話のみ。
・順位はつけない。

 

<各話コメント>

イクシオン サーガ DT 24話 「K1(Knighthood)」

脚本/大和屋暁 絵コンテ/二瓶勇一 演出/関野関十 作画監督/斉藤良成

「世界はラブ&ピース!」の声とともにジョンレノンの「イマジン」が流れ出してびっくり。「おい、これいいのか?」と思っていると、今度は映画「2001年宇宙の旅」の「ツァラトゥストラはかく語りき」が流れ出す。「えらく大胆なアニメだな〜」と感心していたら、最後に愛・地球博の「モリゾー」ならぬ「フォレゾー」が登場・・。こりゃ、いくらなんでもやりすぎだって(笑)。

 

有頂天家族 6話 「紅葉狩り」

脚本/菅正太郎 コンテ/吉原正行 演出/倉川英揚 作画監督/大東百合恵

狸である下鴨総一郎は「俺は種をまき、そこそこ育てた。一匹の狸としての役目はまっとうしたのだ。残された日々は天恵である。」と語ります。死を前にして泰然自若としているのは、もうけものの日々を生きていることを承知しているからでしょう。斯く言う私も、そういう境地で今の人生を謙虚に生きなきゃいかんなあと思うのです。

 

境界の彼方 11話 「黒の世界」

脚本/花田十輝 絵コンテ/三好一郎 演出/三好一郎 作画監督/内藤直

「あなたが守り抜きたいものは何ですか?」 それを見つけてそうする覚悟を決めた人は力強く生きていくことができる。そんな人を大人と呼ぶならば、秋人は大人への壁をひとつポーンと飛び越えていったんだと思います。その瞬間を鮮やかに描写してみせた素晴らしい回でした。「蹴り飛ばす準備をしておけっ、必ずつれてもどる!」・・・こういう時の男の子は輝いてます。

 

京騒戯画 2話 「やってきたのは妹」

脚本/やまもとみちよ、丸尾みほ、東堂いづみ 絵コンテ/松本理恵 演出/中尾幸彦
作画監督/林祐己、嘉村弘之 美術監督/杉本智美

とにかく、小さなコトが可愛らしい。そして夕日の丘の上でのコトと稲荷のシーンが素敵でした。ママのこと、パパのこと、コトには知りたいことがたくさんあるはずです。でもコトは稲荷に詰問するようなことはしません。稲荷の流していた一筋の涙を見て、何かを察してしまうコトの感受性の高さはどうやって育まれたのでしょう。それを考えただけでも泣けちゃうのです。

 

キルラキル 4話 「とても不幸な朝が来た」

脚本/若林広海、中島かずき 絵コンテ/今石洋之 
演出/清水久敏 作画監督/中森晃太郎

ホント面白かったです。お話の筋としては定番ともいえますが、昭和チックな絵柄とマッチしたドリフ風味の笑いや天丼ギャグ、懐かしの映画パロディーなど全く飽きさせない怒濤の展開が見事。そして、何よりも最後に教室に飛び込んだ流子ちゃんの出席の返事の間が絶妙。しっかりとお話が締まりました(笑)。

 

げんしけん二代目 11話 「いい最終回だった」

脚本/横手美智子 絵コンテ/小林敦 演出/小林敦
作画監督/角田桂一、中山知世、山口飛鳥 総作画監督/谷口淳一郎

後半パートが素晴らしかったです。春日部さんも班目くんをきちんと振る必要があったんですね。班目くんに対して誠実さを通す春日部さん。その姿勢に班目くんは何とか応えることができ、自身の想いにもケリをつけました。相手の誠実さに気づき、それを真正面から受け止めるって大切なこと。恋愛や失恋を通じて人間的に成長できるのが青春時代のよいところだなあ。

 

進撃の巨人 1話 「二千年後の君へ ―シガンシナ陥落 (1)―」

脚本/小林靖子 絵コンテ/荒木哲郎 演出/荒木哲郎、田中洋之
作画監督/千葉崇明、江原康之、菊地聡延、服部一郎
アクション作画監督/江原康之、今井有文 総作画監督/浅野恭司

瓦礫に挟まれて身動きの取れない母はエレンとミカサをハンネスに託す。気丈な言葉をかけつつも押さえた口から漏れ出てしまった言葉。それぞれの選択と決断に是非はないけれど、迎える結末を受け入れる覚悟は並大抵のものじゃない。そしてこの後、巨人は彼女を鷲掴みにし、あんぐりと口を開けて・・・今年一番の衝撃シーンでした。

 

ステラ女学院高等科C3部 4話 「不射ノ射ヲモチ当タルベシ。」

脚本/さかもとたけし 絵コンテ/入江泰浩 演出/赤松康裕 作画監督/大村将司

「世界の全ては自分の居場所」という何だか禅問答のような言葉が出てきます。この回は、そんな言葉に相応しいちょっと不思議なファンタジー仕立てのお話にゆらの潜在的なサバゲーセンスが花開く予感が織り込まれてあって、なかなか凝った作りになっていたと思います。これが分水嶺となり、後に展開されていくゆらとC3メンバーの成長物語も意表を突く奥深さがありました。

 

たまこまーけっと 9話 「歌っちゃうんだ、恋の歌」

脚本/吉田玲子 絵コンテ/三好一郎 演出/三好一郎 作画監督/内藤直

いつか誰でも恋をする。僕が君を見つけたように。今では照れくさくなってしまった想いをひとりで静かに懐かしむ豆大の姿が何とも印象的でした。そして、あんこちゃんやたまこを見てると、親から子へ受け継がれるものは確かにあるとわかります。それを間に挟み込むことにより豆大のエピソードに奥行きを作り上げた構成もすばらしかったと思います。

 

波打際のむろみさん 2話 「伝説の海獣とむろみさん」

脚本/ふでやすかずゆき 絵コンテ/吉原達矢 演出/吉原達矢 作画監督/砂川貴哉

ご近所の少しやんちゃなお姉ちゃんって感じのむろみさん。そんな彼女にはもちろん気が置けない仲間がいて、寂しがり屋なむろみさんの恋の行方を気にしてくれる。そこへ放り込まれる人魚だからっていうギャップ感が面白い。むろみさんが鳥に小魚と思われてるというのもツボだったけど、今回の元寇ムー大陸巨神兵?)、トロイ戦争、魔女裁判っていう打っ飛び感も楽しいです。

 

今年もいいお話が多すぎて選考が大変でした(笑)。

それでは皆様よいお年をお迎えください。

FX