ピンポン THE ANIMATION 9話 感想
自分が何者で何のために卓球をやるのか。自分の心の声を見つけ出した瞬間、過去の自分の不甲斐なさも認めて受け入れて、自分の生き方をしっかりと肯定することができる。オババの問いに答えたこのシーン、ペコが最高にカッコいい!
「オイラがヒーローだからっしょ。そこんとこ ヨロシク!」
このセリフは本当に素晴らしいと思うのです。スマイルのために打つのではない。自分がヒーローだから打つ。決勝で助けを求めて待ってるヤツがいる。そこへ駆けつけるのがヒーローの役目。だから試合は棄権しない。自分の心の声を満たすために卓球をするペコに迷いはありません。
ペコ以外の登場人物たちは、それぞれが自分の心の声を見つけ出せずにいるのだと思います。何かのために勝ち続けようとしてるドラゴン、ドラゴンに認められようと必死に努力したアクマ、母国のチームへの復帰を目指したチャイナ、自分探しの旅に出た江上くん。
彼らは自分の存在意義を自分以外のところに求めているから苦しんでる。自分の外側にあるものを守ろうとしたり、手に入れようとしたって、他人の心や社会環境などは自分ではコントロールできないし、一時的にできたとしてもそれをずっと続けることはできないでしょう。だから生き方がブレるし満たされない。
そんな彼らを見守る大人たちは、自分の心の声を見つけることの大切さを知っています。オババも、海王の監督も、チャイナの元コーチも、みんな言葉は違えど教え子にそれを問うのです。誰のために打つのか、自分の信じる卓球ができているか、これは人生の話さと・・・。
自分の心の声を見つけ出すのは難しい。さらに心の声を裏切らない生き方をするのはもっと難しい。でもそれができたら後悔のない人生を送れるんじゃないでしょうか。今回のペコが最高にカッコよかったのは、そんな瞬間を見せてくれたからなんでしょうね。
次回も本当に楽しみです。