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へうげもの 4話 感想

今までも何かを含んでいそうな宗易でしたが、その一端が明らかにされ興味深い展開になってきました。自ら創り上げた新しい価値観こそが至高のものであることを示したい。それは止むに止まれぬ業なのだと・・・。

信長の下では自分の思いは実現できない。それが我慢ならないから理解のある秀吉に天下を取ってほしいとけしかけるのはある意味当然のことなのでしょう。でもそこには自分の価値観こそが最高で異論は認めない雰囲気を強く感じるし、それは宗易の信念というより傲慢さから漂ってきているように思えます。

ところがこの傲慢さ、唐高麗から渡来の名物が次々と入ってくる時代には、宗易の価値観が生き残る上で必須であったとも感じます。宗易がそれを持ち合わせていたからこそ、理想の黒茶碗を手にしたとき「もはや、唐高麗名物など小賢しきもの。」と言い放つことができた。なまじ物わかりの良い人物であったら、彼の茶の湯は唐高麗の文化に飲み込まれてしまったかもしれません。

宗易が2−3話で佐介に見せた茶の湯は、新たな空間エンターテイメントの提供と言えます。それは無駄が省かれ静寂で俗世を離れた印象でしたが、それをプロデュースした宗易自身は俗にまみれながら新しい価値観を世に認めさせるため強かに生き抜いている真逆な人物なのが面白い。その姿は光秀や秀吉に比べてもよっぽど武人らしく見えます。

逆に光秀や秀吉はまるで会社勤めのサラリーマンですね。二人とも信長の顔色をうかがいながら、会社の枠組みの中で生きています。信長は光秀から具申された佐久間信盛の赦免を聞き入れませんでした。その理由は「やつはもう古い。」です。光秀も秀吉も新しいビジョンを掲げなければ信長を超えていくことはできないのでしょう。

次回も本当に楽しみです。

FX