たまこまーけっと 9話 感想
いつか誰でも恋をする。あの頃の自分もそうだった。今では照れくさくなってしまった想いをひとりで静かに懐かしむお父さんの姿が何とも印象的でした。そして、あんこちゃんやたまこを見てると、親から子へ受け継がれるものは確かにあるとわかります。恋は始まりで、その後に続きがあるんだなあって思える素敵なお話でした。
妻の面影を見つけてはひとりで感傷にひたってしまうお父さん。大勢でワイワイとやるのはちょっと苦手そうな照れ屋さんですよね。そんな彼が彼女のために曲を作って歌うことができたのはまさに恋のなせる業なんでしょうか。いやいや、それ以上にマスターやバンド仲間の支えがあったんだろうなって思います。
好きなのに肝心なところで勇気がでないあんこちゃん。ゆずき君からのプレゼントを手にしてため息ばかりついてます。そんなあんこちゃんがゆずき君のもとへ走って行けたのは、もち蔵やたまこやデラが支えてくれたから。もう、あんこちゃんって、絶対にお父さん似ですよね(笑)。
たまこは、どうしてお父さんの歌が探していた曲だと気づいたんでしょうか。想像だけど、たまこにはお母さんがちゃんと受け継がれているからじゃないかな。ホクロの位置だけじゃなくてね。ちょっと変な表現だけど、たまこの中のお母さんが反応したんだと思います。
逆にお父さんには、たまこが口ずさんでいた鼻歌ってどんな風に聞こえていたんでしょう。たぶん、その度に妻のことを思い出していたんじゃないかなあ。今では少し照れくさくなってしまったけど、大切な気持ちですよね。
ラストシーンで「わたしね、お父さんのこと、もーっと好きになった!」と、たまこがお父さんに言いました。こんなことを娘から言われたら父親冥利に尽きると思いますが、このときのお父さんの受け取り方はそうじゃなかったという気がしています。
この台詞、本当にたまこが言ったのかなあって私は思うのです。何と言うか、私にはたまこの中にいるお母さんが言ったように聞こえたからです。きっとお父さんにもそう聞こえたはずです。この台詞は間違いなく、ひなこから豆大への愛のメッセージだったと思います。
えっ、そんなことありえないって?・・・でも・・・私は泣きました。
次回も本当に楽しみです。