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みつどもえ 10話 感想

進化し続ける「みつどもえ」。本当に面白いです。最近のお話は、初期のヒリヒリした感じがなくなって、熟成感がありますよね。この10話では、新たな展開の幕開けを感じつつ、とても深い意味のある回だったように思います。

<「とにかくやろう」、広がったひとはの世界>

もう見ていて、正直うれしくってたまらないのは、ひとはの姿です。「とにかくやろう」って言って、杉崎、吉岡、宮下の三人と一緒に力を合わせてベッドを動かすんですよ。

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この三人は3話でひとはが一緒に帰ろうと勇気を振り絞って声をかけた時、気味悪がって逃げちゃった子たちです。でも、もう普通のクラスメートにお互いなってるんですよね。

これは、少しずつひとはが変わっていった結果だと思うんです。転機はやっぱりガチレンジャーなんだろうなあ。「好きなものを語りたい。」という思いは、自分の目を外に向けていきます。ひとはは不器用ながらも声をかけていったもんね。矢部っち、吉岡、杉崎、千葉という具合です。どれも勘違いですれ違いだったけど。

そしてひとはが決定的に変わった瞬間は、お父さんじゃないかな。ガチレン好きなことは、お父さんには内緒にしていたはず。でもお父さんは知ってたんです。そして、そのまま受け入れてくれていたんです。

これでひとはは勇気百倍な気持ちになったと思うんです。このエピソードの最後のシーンで、食事をするひとはの姿が印象的です。お父さんを(たぶん)羨望の眼差しで見てるんですよ。ご飯食べながら。

身近に自分を見守ってくれている人がいる、受け入れてくれている人がいる。こんなに力強いことはない。ベッドの下から出てきたエロ雑誌を「わたしの。」と言い切り、ちょっとくらい引かれたって平気。「とにかくやろう。」と三人に声をかけたひとはの世界は、広がったんです。

<学校でのみっちゃんの居場所>

1年生とのふれあい教室で孤立していたのは、みっちゃんとひとは。まあ、ひとははわかりますけど、みっちゃんもなんですよね。子供の扱いが苦手というのはあると思いますが、孤立しているのはそれだけじゃない気がします。

前から思ってたんですけど、みっちゃんも教室でひとりでいることが多いんですよ。6話で杉崎の携帯で撮られていた写真も、全部みっちゃんはひとりで写ってます。普段から声が大きくて騒がしい彼女だけれど、いつも一緒にいる友達はいないのかもしれません。

だからクラス活動や運動会みたいにメンバーが決められた中ではわかりにくいけど、ふれあい教室みたいに自由にやりなさいみたいになると途端に孤立しているのが目立っちゃう。

<丸井家でのみっちゃんの居場所>

丸井家でのみっちゃんはどうだろう。実はこっちも微妙な気がします。

ふたばにはお父さんがいます。これはもうベッタベタですもんね。ひとははどうかな。ここで思ったんだけど、ひとはって丸井家の家事のすべてを一人でやってるんじゃなかろうか。7話で掃除、9話で洗濯、10話で炊事、全部ひとはがやってますよね。つまり、ひとはには丸井家での役割がきちんとあるわけです。

みっちゃんはちょっと微妙な位置にいます。ひとはみたいに家での役割を持っているわけでもない。ふたばみたいにお父さんと仲良しというわけでもない。さらにひとはがお父さんとの距離を縮めたとしたら、やっぱり孤立気味な感じです。

<甘えられないみっちゃんの辛さ>

みっちゃんが孤立気味になるのは、その言動にありますよね。お姉さんぶったり、女王様を気取ったりするのは、寂しさの裏返しで自分を支えるために強がっているように思えます。それは優しさとなって現れたり、意地悪になって現れたりする。それが外からはわからないので付き合いにくい。

そうならざる得なかった理由は2つあるんじゃないかと思います。ここからは、あくまでも私の想像ですので、つっこまないでくださいね。

ひとつは、みっちゃんはお姉ちゃんにならなきゃいけなかったんです。それも幼い頃にいきなり。だからお姉ちゃんとしてのスキルをゆっくり身につける時間も与えられないまま、ただひたすらお姉ちゃんにならなくちゃという一心で背伸びをし続けてきたんだと思えるのです。

背伸びしているのだから、相応の実力があるわけじゃない。だから失敗もする。そこまでは、外から見れば一所懸命な姿で微笑ましい。でも本人にしてみればお姉ちゃんなんだから失敗なんてありえない。結局取り繕う行動に出ちゃう。

ふたつめは、みっちゃんには甘えられる相手がいないことです。背伸びを続けることはしんどいと思うんです。それを誰かが認めてくれたり、ほめてくれないと辛い。そんなとき誰かに甘えたくなるけれど、彼女にはそんな人がいないんです。というかいることに気づいていない。

ふたばには、お父さんがいるんです。ひとはには、6話の感想で書いたようにみっちゃんがいるんです。みっちゃんには、いないんですよね。甘えたい気持ちは、ひとはにちょっかいを出して紛らわすか、自分にしまい込んで堪えるしかない。

<ひとはのドキリとする言葉>

「なんでだよ、ママは何でも買ってくれるんだぞ。」
「もう、二度と買ってもらえないかも・・・・しれないのに。」

ひとはが杉崎の弟に言った言葉にドキリとしました。これは、もしかして丸井家の家族のことを言ってるんでしょうか。このことと、次に書くことは繋がっているとしたら・・・・。

<気になる三つ子の1年生嗜好>

今回のお話で、三つ子と1年生が妙に繋がるので気になってるんです。たとえば、みっちゃんのパンツは1年生のメグちゃんが同じのを穿いていると杉崎の弟が言っていました。

また、ふたばは痴女のことを1年生と同じレベルで理解しているんですよね。そして、ひとはが好きなガチレンジャーは1年生の杉崎の弟も大好きなんです。

三つ子が1年生のときに何かあったなんて考えるのは、考え過ぎでしょうか。もしかしたら三つ子たちは、1年生で留まっているものが心の中にあるのかもしれないと思えるのです。

それは、あのひとはのドキリとする言葉と関わってないかと・・・・。そして、みっちゃんの背伸びもそのときに始まったのではないかと。あの4話で「お揃いなの〜」と飛び跳ねていた幼い頃の天使のようなみっちゃんの笑顔は、そのときより前じゃないのかと。

<妄想は止めとこう>

この10話に、私の妄想はどんどん膨らんでいきます。でも、これ以上書くと笑えなくなっちゃうから止めにしとこう。「みつどもえ」は、基本は笑って楽しむアニメなのだから。

このアニメのスゴいところは、笑っていいところは笑えるように見せてくれているし、そうでないところはちゃんと手を差し伸べているところですよね。これって、リアルな生活でも同じことをやってるなあと思います。ただ、このアニメはそれがとても繊細なんですよ。

<おまけ>

長くなったんで、省いちゃったお見舞いの様子を一言だけ。

風邪をひいたみっちゃんのお見舞いに来てくれた、杉崎、吉岡、宮下の三人ですけど、ホントにさりげなく三つ子との距離を縮めることができる子たちなんですよね。

そして、この三人にきちんとお茶を出しておもてなしするひとはが何気に素晴らしい。でもちゃんとクリームがのってるプリンを買ってきてる杉崎は、ひとはの上を行ってます。

みっちゃん、杉崎と仲良くなれるかな(笑)。

次回も楽しみです。

FX