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へうげもの 5話 感想

「う〜む、むずがゆいのう。少しずつ良いものが揃うてきたというのに。茶の湯ごせいどーにより、未だ公の茶会を許されておらんとは・・・。」などと茶道具を眺めつつ次第に興奮してきて、おせんを呼ぶ佐介の姿が笑えます。2話だったか、おせんの胸に触れつつも今焼の茶碗に思いを馳せていたくらいですから当然かなあ(笑)。

ところで「茶の湯ごせいどー」って何かなと思い調べてみたら「茶の湯御政道」と称された信長の政治手法のことだそうですね。簡単に言うと、それまで武功をあげた大名に与えていた恩賞を領土から茶道具に変えたということみたいです。

信長は堺の豪商たちが茶道具などの名物をバブリーに取引しているのに目をつけ、戦果をあげては名物を買いあさったそうです。かくして、あらゆる名物は信長の下に集まることになりました。

さらに、公の茶会を信長の許可制にして相応の大名しか開けないようにしたそうです。そして、武功をあげた大名には恩賞として買いあさった茶道具などの名物を与える。こうして茶の湯の社会的地位を引き上げ、いつしか茶会を開いて名物を披露することが大名たちの目標になるように価値観を変えていったのです。

この手法は当時としては画期的だったかもしれません。信長の威光が日本全土に行き渡れば、恩賞として領土を与えるのも難しくなってきますし、なまじ広い領土を与えて力をつけられても困ります。でも茶道具などの名物を勲章代わりに与えるのであれば、そんな心配もないのです。それはバブリーな茶碗なのですから。

そんなことを知ると、このアニメに登場する武将たちが目利きで茶の湯に精通しているのも納得です。出世の証みたいなものですね。それから3話だったか、信長は「世の中を治めるには欲しがるものを与えるしかない。」と言ってたように思います。彼は、その欲しがるものを堺の活発な経済活動からヒントを得て自らつくりあげたわけで、「あやつは、もう古い。」という彼の言葉に重みを感じてしまいます。

ところでお話の方は、秀吉がついに動き出しましたね。信長、光秀、秀吉、宗易、佐介のそれぞれの思惑が交錯して、何が飛び出してくるのか、とても気になる展開になってきました。

次回も本当に楽しみです。

FX