EVERY LITTLE THING

深夜アニメ、音楽、映画、コミックの感想など

TARI TARI 1−2話 感想

眩いばかりの青春ストーリーが展開されるんだろうなあ。テンポも良くて面白いです。それに音楽を題材に取り上げているだけあって、「才能と努力」とか「音楽を愛することと音楽から愛されること」みたいな味付けもされていそうですよね。そう思うと、宮本さんと教頭先生のやり取りは興味深いものがあります。

宮本さんはひたすら歌うことが好きなんでしょう。彼女は普通科に在籍しながら、声楽部に入っているんですものね。周りは音楽科の生徒ばかりでしょうに、無鉄砲というか、大した度胸です。そんな彼女が合同発表会で大失態をしてしまった。彼女にしてみれば、諦めずに一生懸命やった結果だったし、それはそれで立派なことです。

でも教頭先生は厳しく宮本さんを叱責します。だって音楽科の生徒たちは音楽をやりたくて音楽科に入学し、とくに声楽部の三年生にとっては、それは最後の発表会だったはずです。彼らは音楽に関して言えば、宮本さんよりずっと努力していたんじゃないかと思えます。正直、宮本さんの失態で、みんな残念な思いを噛みしめたんじゃないかなあ。

教頭先生が宮本さんに辛く当たるのは、彼女がそのことに気づいてくれてないと思っているからでしょう。しかも直談判しにきた宮本さんの足は震えている。やっぱり彼女に歌わせるのは無理だと教頭先生が判断するのはわかるような気がします。

2話の合同発表会でもアクシデント続きで宮本さんの合唱部の発表は大ピンチに陥ります。もうダメだと宮本さんが諦めた姿を見て、教頭先生は中止を告げに行きます。学校の責任者としてやらなければいけないことです。そしてたぶん、教頭先生は宮本さんに音楽から愛されない姿を見たんじゃないでしょうか(ちょっと大げさかな?)。

教頭先生は厳しい指導っぷりから何となく努力家のイメージがあります。努力して壁を乗り越えてきたから、生徒にも努力をさせる。そして努力した人を報いたいという思いがありそうです。だから宮本さんみたいに、ただ歌うことが好きだからという理由で普通科から声楽部に入部して、結果的に引っ掻き回されるのはたまらないのでしょう。

そして、もし歌うことが好きなだけで壁を乗り越えていく人がいたら、それは音楽に愛された人だと考えているんじゃないかな。それが宮本さんからは見えてこないし、教頭先生自身もそんな宮本さんをどう指導してよいかわからない。そんなこんなで、結局は宮本さんに辛く当たっちゃってるような気がします。

でも、教頭先生は何となく宮本さんを認めているフシも感じられるんですよね。「心の旋律」の譜面を宮本さんからいったん取り上げておきながら、宮本さんの熱い思いを聞いて、また譜面を彼女に渡しちゃうシーンがありました。何やら伏線めいた感じですが、ホントに宮本さんをダメだと思っていたら譜面は渡さなかったでしょう。

もしかしたら、教頭先生は宮本さんに今の自分にはない何かを感じているのかもしれません。今回、宮本さんは沖田さんに一喝されて、きちんと恥の上書きをしてみせました。これをとっかかりに、教頭先生と宮本さんの関係が少しずつ変わっていくようなら面白いですよね。お話の本筋じゃないかもしれないけど、私的に注目したいところです。

次回も本当に楽しみですね。

FX