琴浦さん 12話 感想
少々粗っぽさはありましたが、よく作り込まれたお話だったなあと思います。伏線回収がきっちりなされていたこともありますが、琴浦さんの成長とともに対峙する人物の心模様も複雑になってきて、やっぱり想像力が必要であったり、言葉にしないと伝わらないことがあるということに気づくという流れがよくできていました。
この1枚の写メがうまいなあと思います。何も想像しようとしなければ、焦げた卵焼きが写ってる。ただそれだけです。
でもそうじゃない。琴浦さんはこれを作ってくれたお母さんの気持ちが想像できて、うれしかったからお爺さんへ写メをしたんですよね。そして送られたお爺さんや和尚さんは、その1枚を見たら何が起きて、琴浦さんが何を伝えたかったかわかっちゃう。
琴浦さんが人の心を読むのは、そのときのその人の心の断片を垣間見てるだけであって、1枚の写真を見てるようなものなのかもしれません。結局はその写真から何を感じてどう想像できるかってことなんだなあ。
そして、言葉にすることをこの二人で締めくくったのがきれいでよかったです。まあ、恋人同士ということなら当たり前かな(笑)。
ということで、超能力少女のお話は至極まっとうな人間ドラマでしたね。起伏の大きなストーリーでしたが、テンプレポイントはきっちり押さえてあって安心して楽しめました。もう少し、斜め上をいく展開があってもとは思いましたが、そこは見る人の好みの問題でしょう。
「琴浦さん」、面白かったです。