「緑川 纈(ユハタ)」がスゴいことになってきた!
アニメ『シドニアの騎士』が面白いです。今週は11話だったんですけど、緊急事態に直面した船員たちが状況を把握し、今やるべきことを的確に判断・実行していく描写は本当に見応えがありました。
その中でもスゴいことになってきたぞと思ってるのが「緑川 纈(ユハタ)」です。彼女は「司令補」を任されて、ものすごく成長してると思うのです。
私の彼女の印象といえば、プラモデルが趣味、落合の謎に興味を持ったらどこぞから鍵を拝借、長道への大胆アプローチはいつも失敗……などなど、好奇心旺盛で行動力があるけれど、ちょっと残念な女の子でした。
でも今回の見所は、戦闘中の彼女の一挙手一投足にあったと思うのです。すごかったよ、ユハタちゃん。小林艦長に対して臆することなく、戦況に応じて次々と作戦を具申し、実行していきました。
小林から「小惑星ごと破壊しろ。」と指示されて、ちょっとハッとした表情を見せるも、すぐに対惑星誘導飛翔体を使うことを決断し、衛人隊にガウナ除去の新兵器を装備させることを具申するユハタ。このときの表情、惚れ惚れしますね。
そういえば、彼女の初仕事は、小林の指示で対惑星誘導飛翔体を撃ち込んで惑星を破壊することだったと思います。このとき、彼女は「対惑星ですか?」と言ってしまい、小林から「不服か?」と窘められたんですよね。
彼女がハッとしたのは、それを思い出したからでしょう。すぐに対惑星誘導飛翔体をチョイスしたのは、そんな経験が生きてるのかもしれません。
ところが実戦ではあらゆることが起こります。第一小隊の犠牲者が増え始めると思わず後ずさりするユハタ。その気持ち、すごくわかります。そこへ紅天蛾の出現で第二小隊が一瞬にして全滅。第一小隊の貫通弾も残りわずかになり、飛翔体到達も刻一刻と近づく。ますます追いつめられるユハタ。
ユハタの脳裏には撤退の言葉が過ったに違いありません。それを見透かしたように小林は「作戦は続行だ。」と指示します。この辺りの小林のスタンスは常に明確ですよね。
瞬時に迷いをふっ切ったユハタ。打開策をひねり出そうと必死に頭を巡らせます。そしてガ542の内部に空洞が多いことに気づき、シドニアの全ヘイグス粒子を収束して撃ち込むことを小林に具申します。しかし、シドニアにとって余りにもリスクが高い作戦に管制官達からも意見が……。
「シドニアが消えたら元も子もないわ。」
ゾクッとしました。まるで小林に成り代わったようなユハタの一言。結局、より大きな判断を下して周囲を従わせようとすれば、こんな風に言わなくちゃいけない。彼女の成長を印象づけた一言でした。
いや〜思い出してみてください。勢威から司令補を引き継ぐように告げられ、涙ながらにイヤだと訴えたユハタ。このときの彼女は、戦死した兄に代わって衛人操縦士を目指していたんですよね。
そんなひとりの女の子が、今では小林艦長と渡り合って司令室に立っている。勢威に見いだされた適性もあったのでしょうが、自分の気持ちを切り替えて与えられた任務を全うすべく頑張ってる。
でもなあ、司令補は作戦を指揮するだけでなく、その結果も受け入れなければなりません。彼女が関わった作戦が多くの犠牲者を出すことだってある。そういうことについて、彼女自身に折合いがついているかまではわかりません。そこは人間力の部分の話で、若い彼女にはまだ厳しいかもしれないなあと思ってみたり。
そんなこんなで、私の中では今、ユハタちゃんがスゴいことになってます。