『冴えない彼女の育てかた』6話 感想
倫也がひとりのファンからクリエーターへの一歩を踏み出し、過去に囚われた詩羽先輩を救い出したともいえる一夜のお話。含みのある掛け合いに小洒落たオチがついて、なかなか面白かったです。
詩羽先輩を探し回る倫也。最初はピンとこなかったんですが、プロットの修正点を一刻も早く彼女に伝えたかったんですね。彼には作品の感想を求めてくる彼女を受け止め切れなくなって放り出してしまったという苦い過去があったと。
ひとりのファンとしてはそれで良かったのかもしれない。でも今回の自分はクリエーターだ。自分の作品に責任を持たなくちゃいけない。そして苦しみながらも詩羽先輩の問いに対する答えを見つけた。倫也がそれを真正面から詩羽先輩にぶつける展開が熱いです。
プロットの修正は彼女の生き様を否定することになりかねない。倫也はそれに気づいていたのでしょうか。たぶん気づいていたと思います。それでも彼は容赦なく切り込む。そして不安げな彼女の問いにもズバリ答えるのです。
「今までの話はなかったことにするの…」
「なに言ってんの…残すよ。」
未来の道筋が開けた瞬間でした。
「この優柔不断!」
「それこそがギャルゲー主人公の醍醐味だよ!」
何だかよくわからないギャルゲー理論だけど、その言葉は力強い。今回の彼はクリエーターの苦しみから逃げ出すことなく立ち向かって答えを出した。だからこそ詩羽先輩は彼をクリエーターとして認めたんですね。そして過去に囚われた詩羽先輩をも救い出したんだと思います。
据え膳を食わなかった倫也へのあてつけでしょうか(笑)。それだけじゃない気がします。たぶんこれは未来をもらった詩羽先輩の「まだ諦めないわよ宣言」なのでしょう。なんとも彼女らしい悪戯なのでした。
次回も本当に楽しみです。