EVERY LITTLE THING

深夜アニメ、音楽、映画、コミックの感想など

話数単位で選ぶ、2015年TVアニメ10選

今年の10選は以下のとおりです。

ガッチャマン クラウズ インサイト』第10話「seeds」
血界戦線』第5話「震撃の血槌」
『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』第7話「空も星も越えていこう」
冴えない彼女の育てかた』第2話「フラグの立たない彼女」
『四月は君の嘘』第16話「似たもの同士」
のんのんびより りぴーと』第4話「てるてるぼうずを作った」
『響けユーフォニアム』第12話「わたしのユーフォニアム
『不思議なソメラちゃん』第9話「始まってるよ!松嶋とさようなら組み換え!!」
放課後のプレアデス』第4話「ソの夢」
『ローリング☆ガールズ』第8話「雨上がり」

番外編
『I can Friday by day!』

ルール
・2015年1月1日〜12月31日に放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品から選べるのは1話のみ。
・順位はつけない。

 

<各話コメント>

ガッチャマン クラウズ インサイト
 第10話 「seeds」

脚本/熊谷純、大野敏哉 
絵コンテ/中村健治、木村延景、伊藤秀樹、伊藤良太
演出/小野田雄亮 作画監督/平良哲朗

節操もなく誰かの言説に同調し、調子に乗って憂さ晴らしをする。巷でも結構目にする光景です。そんな人たちを止めることができなくなっているのは、物事をちゃんと考えようせず、その場しのぎで適当にやり過ごす人たちが増えてきているからかもしれないなあと思ったり。

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少々わからないことがあっても、ちょいと検索すれば何かしら答えらしきものが手に入る世の中です。近頃は、大学生のレポートとか小学生の読書感想文なんかもウェブからコピペみたいな呆れた話もあるようで、このさき考えない人たちがどんどん増えると、この10話みたいに「あれれ、なんだかおかしなことになってきたぞ…」みたいになっちゃうかもしれません(怖っ)。

 

血界戦線
 第5話「震撃の血槌」

脚本/古家和尚 絵コンテ/松本理恵 演出/孫承希
作画監督/長谷部敦志、村井孝司、長野伸明(メカ)
総作画監督杉浦幸

軽快なアクション、小粋なセリフ、友情&ラブコメディ、色々な要素を塩梅よく織り込んだエンターテイメントなんですが、どのシーンも演出が出色の出来です。

気に入ったのは、ライブラメンバーによるピタゴラ作戦で吹っ飛ばされたモンスタートラックのシーン。クズ鉄を撒き散らしながら崩壊していく大惨事の描写は美しく、バックに流れる女性ボーカルも何だか優雅な雰囲気を醸し出してます(笑)。

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ラストシーンもクール。映画を見て泣き出したホワイトを慰めようと慌てるレオ。そんなレオがふと漏らした本音に対して、「そんなことないわ、レオはいい奴よ」と今度はホワイトがそっとつぶやく。絶妙なタイミングでEDのイントロが入り、二人がくっついて赤い花が広がるズームバック。とっても洒落てます。

 

『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』
 第7話「空も星も越えていこう」

脚本/會川昇 絵コンテ/工藤進 演出/矢野孝典 
作画監督/村井孝司、三谷高史

アースちゃんは機械人形。彼女には正しいこととそうでないことがハッキリわかり、常に正しいと思うことを行って人を助けてきた。そんな彼女の規範が、ジュダズとのやり取りを重ねていくうちに少しずつ揺らぎ始めるというお話なんだけど…。

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救いようのない残酷さと束の間の安堵が絶妙にブレンドされて、何とも言い難い雰囲気が背後に漂い続けてるんだなあ。自分は本当に正しいことをしているのか、心が揺らいだ時にそばで支えてくれる人がいないアースちゃん。周囲に惑わされる中、彼女が知ってしまった「嘘の味」は使い方によっては身を滅ぼしてしまう危うさがあります。

彼女は衛星軌道上で安堵の夢を見ながら眠りにつく。この先も大人たちに利用され翻弄されながら、夢の中の家族を支えにして生きていくのでしょうか……と思いきや、余韻も吹っ飛ぶまさかのCパート。一体アースちゃんに何があった?

 

冴えない彼女の育てかた
 第2話「フラグの立たない彼女」

脚本/丸戸史明 絵コンテ/神戸守、亀井幹太 演出/柴田彰久
作画監督/梅津茜、瀬川真矢、荒川絵里花、広尾佳奈子、長尾祐希子

加藤さんというキャラがとても興味深いです。受け止め方によっては「ウザい」「キモい」と一蹴されるであろう安芸くんの情熱。それを淡々と受け流しつつも延々と付き合ってくれる加藤さん。オタクのみならず、何か自分の趣味を熱く語りたいだけの男の子にしてみれば、加藤さんは理想の女の子だなって思います。

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最近は自分の居場所を確保するのにも、いろいろと求められることが多すぎますよね。それにちょっとでも対応できないと何か自分は駄目な人みたいに思えてきて、もう面倒くさいから一人でいいやって気持ちになっちゃう(笑)。

でも一人って寂しい時もある。そんな時、可愛いけど目立たない、誘えば来てくれる、自分の喋りたいことだけを喋っていてもずっと付き合ってくれて、見返りを求めてこない、そういう加藤さんみたいな女の子がそばにいてくれたら…。

このお一人様ご用達の面倒くさくないヒロイン、今の時代に出るべくして出てきたんじゃないでしょうか。

 

『四月は君の嘘』
 第16話「似たもの同士」

脚本/吉岡たかを 絵コンテ/黒木美幸 演出/黒木美幸 
作画監督/ヤマダシンヤ、野々下いおり、小泉初栄、三木俊明、浅賀和行 
総作画監督/高野綾

この年頃の女の子しか持つことができない感性をぎゅうっと詰め込んだ感じの凪ちゃんが実に魅力的です。耽美で神秘的とも言える内面を過度な表現にせず、普通の女子中学生のものとして、このアニメらしく描いているのがいいなあ。

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兄に恋慕の情を抱き、公生を叩き潰してやろうと思っている。崇高な犠牲、見返りを求めない愛情、そんなことを呟きながら自らをファントムに擬える女の子。そんな彼女が、公生にも好きな人がいて、ちょっとだけ自分の境遇と似ているところがあることを知ります。なんとなく心を通わせ、ピアノを弾く理由も重なって、彼女の心は少しだけ動く。そして…

な〜んと今まで公生の指を鍵盤の蓋で押しつぶす妄想をしていた彼女が、一転して公生の袖口にキスマークつけて鬱憤を晴らしちゃう。うーん、この機微をうがった描写には思わず悶えました!!

 

のんのんびより りぴーと』
 第4話「てるてるぼうずを作った」

脚本/吉田玲子 絵コンテ/川面真也 演出/福多潤
作画監督/冨田康弘、北川和樹、塚本歩、吉田和香子
総作画監督大塚舞、井本由紀

Aパートは笑ったなあ。自らてるてる坊主になってしまうれんげの発想の豊かさと怖いものはちょっと苦手な小鞠の幼い一面が織りなす妖怪騒動。玄関口でお面をつけたかず姉と鉢合わせた小鞠は白目をむいて声も出せず、その間15秒ほどストリングスが響いていただけだったのも、彼女の驚きっぷりが伺えて面白かったです。

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一方、Bパートは余韻が心地いい。ひらたいらさん(カブトエビ)が死んで、新たなひらたいらさんが生まれた。れんげはそのことに素直に感動する。その姿に私も感動する。そして田舎の自然や風景のカットが続いた後にED。命は受け継がれていくものなんだなぁなんて、余韻に浸ってると何だか田舎に行ってみたくなります。

どこかにファンタジーな田舎を満喫できる観光地ってないかしら(笑)。

 

 『響けユーフォニアム
     第12話「わたしのユーフォニアム

脚本/花田十輝 絵コンテ/三好一郎 演出/三好一郎
作画監督/丸木宣明

日和見な感じだった久美子が少しずつ変わっていき、ラス前にしてついに感情を露わにさせました。162小節目からのパートを外されて、悔しくて泣いて、お姉ちゃんに八つ当たりして、そうして彼女は自分の中にあったひとつの答えにたどり着きます。

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彼女が見つけた答えは「ユーフォが好きだ」ということ。そして曖昧にしか思い描けない将来のために、その気持ちを手放す必要なんてないんだと気づく。すごいよ。こんな風に自分の中にある大切なものを掘り起こすことができるのって。たぶん運命の神様はそんな人に向かってウインクをするんだと思うなあ。

この作品には好きな回がたくさんあるけど、この回を見るとなんだか自分を見つめ直したくなるんですよね。そんな気持ちにさせられるお話、そう多くありません。

 

『不思議なソメラちゃん』
 第9話「始まってるよ!松嶋とさようなら組み換え!!」

脚本・絵コンテ・演出・作画監督/いまざきいつき

遺伝子組み換えの松嶋が森に放たれ、次第に野生化し凶暴化していく。村にも被害が及ぶようになり、政府は正体不明の生物(彼女)を銃殺することに。ソメラちゃんたちは彼女を救出するため現地に向かった…。

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普段は私の想像の斜め上を行く不条理ギャグを連発しているソメラちゃん達が、真面目に事態の収拾を図ろうとする異色回。そのギャップ感に見事に嵌められてしまった私です。なんかいい話みたいに終わっちゃったけどいいのか、おーい(笑)。

 

放課後のプレアデス
 第4話「ソの夢」

脚本/浦畑達彦、森悠佐伯昭志
絵コンテ/春藤佳奈、佐伯昭志 演出/吉田徹 
作画監督/西村真理子

最初はあまり注目していなかったんですが、見ているうちに丁寧な設定と堅実な作りに惹かれてどんどん好きになっていった作品です。ドライブシャフトの作動音が車のエンジン音みたいだったり、物理法則や星の知識が随所に散りばめられているのも楽しい。

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家のホワイトボードの行き先に「月!」と書いたひかる。それを信じて、月にいるはずの娘にピアノの演奏を届けようとする両親。そんなファンタジーを繊細なひかるの心模様を絡めて描いた良回だったと思います。ひかるの夢の中に流れていた音楽が、鈴木さえこ風だったのも個人的にグッドでした。

 

『ローリング☆ガールズ』
 第8話「雨上がり」

脚本/むとうやすゆき 絵コンテ/平川哲生、江原康之
演出/浅見松雄、金森陽子 
作画監督/九高司郎、横田匡史、小沢円、世良コータ、本村晃一
総作画監督/北田勝彦

ライブシーンが圧巻です。飛びまくる観音様ミサイルを清水寺が迎撃(笑)。ド派手で罰当たりな空中戦が夜空を彩る中、美沙、半ちゃん、マー坊が「STONES」を熱演。間奏から参戦してきた豆千代ちゃんの三味線がメチャかっこいい!

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この作品って、大人が次世代を担う若者を粘り強く見守り、時に叱咤激励したり、時にサポートすることで、若者が勇気百倍になって素晴らしい力を発揮する姿を一貫して描き続けていましたよね。だからこそ勢いがあるし、型に嵌らない面白さが生まれていたと思います。

 

番外編『I can Friday by day!』

絵コンテ+監督/鶴巻和哉 
原案+脚本/ウエダハジメ

もしもTVアニメという縛りがなかったら、10選に加えていたと思うのがこの作品です。「日本アニメ(ーター)見本市」で発表された作品のひとつなんですが、これは本当にいいと思いました。

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6分弱のアニメーションなので詳しくは書きませんが、絵柄はフラットな感じで今風だけど見やすく仕上げてあるし、この年頃の女の子の脳内で繰り広げられていそうなえげつなさを独特な世界観と設定でうまく表現していて感心させられました。『フリクリ』が好きな方はラストにも注目です。

 

今年もいいお話が多すぎて選考が大変でした。
それでは皆様よいお年をお迎えください。

『響け!ユーフォニアム』11話 感想

今週のユーフォニアムも凄かった。リボンちゃんの号泣につられて、私も思わず涙しました。まさかアニメ見て泣くことになるとはねー。

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たぶん私が年をとったからなんでしょう。今までそれなりにやってきたけれど、潮目の変化についていけなくなってると感じることも多くなってきたし。だからなのか、無意識のうちに香織に肩入れしたくなっちゃったんだろうなあ。もうね、香織と晴香の姿がまるで古い戦友にしか見えない(笑)。

新しい価値観が導入されて、今までの努力や我慢は評価されなくなった。新しい世代が台頭してきて、主役の座を渡さなければならなくなった。再オーディションはそれを象徴するセレモニーみたいに思えました。

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麗奈は見事に捩じ伏せてみせた。でもそれは香織がこのセレモニーの意味をきちん理解していたからこそ成ったことです。それをわかってほしいと思うのは、面倒くさいロートルの繰り言でしょうか。

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「中世古さんではなく、あなたがソロを吹く。いいですか。」

北宇治高校吹奏楽部が真に生まれ変わった瞬間です。麗奈の表情に、もはや迷いはありませんね。それにしても本当にすごいアニメだなあ。世代交代をこんなにもドラマチックに描き上げるなんて!

あと2話なのが惜しいくらい。次回も楽しみです。

『響け!ユーフォニアム』10話 感想

ラストの引きが素晴らしくて鳥肌が立ちました。ドラマチックですよね。そして再オーディションの結末はいったいどうなるのか。視聴者である私にも様々な感情が渦巻いていますよ、いやホントに…。

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私は香織にソロパートを吹かせてあげたいなと思っています。

香織たち3年生はここまで吹奏楽部を存続させてきた立役者なんですよね。きっと自分たちの練習時間や勉強時間を削って、部員たちをまとめていくにはどうすれば良いか、本当にいろいろな努力を重ねてきたんだと思うのです。リボンちゃんはそんな姿を間近で見てきたんじゃないかなあ。

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ところがその香織がソロパートを吹くことができない。ソロパートを担当するのは3年生たちが守ってきた吹奏楽部にポッと入ってきた1年生なんです。しかも「私の方がうまいのだから当然!」と3年生の努力に敬意も示さない。

オーディションの結果を黙って受け止めようとする香織の姿をリボンちゃんは見ていられなかったのでしょう。全国に行くというのは、そういうことなんだろうか。みんなのために努力してきた人の思いは報われないのか。こんなのは絶対におかしいよ!

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いい音ってなんでしょう。譜面通りに完璧に出てくる音でしょうか。私は吹奏楽のことはよく知らないけれど、やっぱり音には演奏者たちの心がこもっていると思うのです。だから北宇治高校吹奏楽部にも、全国に出て響かせたい音があるんじゃないかって思います。

香織はただ自分を納得させたいために再オーディションにチャレンジしてるのかもしれません。うまさでは麗奈に敵わないのかもしれません。でも彼女の思いはきっと音に乗るんじゃないかなあ。そんな展開を切に期待したいです。そして、あすかや久美子たちはどちらに手をあげるんでしょう??

次回も本当に楽しみです。

『響け!ユーフォニアム』田中あすかの部屋を見て思うこと

『響け!ユーフォニアム』がとても面白くて、毎週楽しみにしています。その7話なんですけど、実に印象的なカットがありました。久美子と秀一の会話シーンでチラッと映ったあすかの部屋です。

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私が勝手にイメージしてる女子高生の部屋とは余りにもかけ離れた殺風景さ。綺麗に片付いているというか、目に止まるモノは、ちゃぶ台とオーディオしかない(笑)。でも、瞬間的に納得もしました。ただ楽器と戯れていたいだけの彼女ならそうだろうなって…。

それにしても、何かに打ち込んでいる女子の部屋は畳部屋でちゃぶ台ひとつっていうの、深夜アニメのデフォルトなんでしょうか。他のアニメでも結構ありますよね。

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最近だと『SHIROBAKO』の安原さんの部屋が思い出されます。アニメーターという仕事に打ち込む彼女の部屋は、やっぱり畳部屋でちゃぶ台ひとつです。好きな事を仕事にして食べていくために必死で、他の事を考える余裕がないというのもあるんでしょうけど…。

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こちらは『Wake Up, Girls!』の未夕ちゃん。アイドルを目指す彼女の部屋は、やっぱり畳部屋でちゃぶ台ひとつ……っていうか、カーテンすらない(笑)。まあ、彼女の場合はいろいろ家庭の事情などありそうですが、それでもファンに楽しんでもらえるためにはどうしたらよいか、いつも考えている子だったですよね。

ところで、彼女たちは自分の部屋についてどう思っているんでしょうか??

うーん、たぶん彼女たちは自分の部屋のことなんぞ、そんなに重要視してないんじゃないかって、私は思います。彼女たちは自分が最も大切にしていることが明確になっているからです。

あすかは楽器を演奏していたい。安原さんはアニメーターの仕事がしたい。美夕ちゃんはアイドルになりたい。本当にしたいことが見つかって、それに没頭していたら、それ以外のことに時間やお金も使いたくなくなり、必然的に生活はシンプルになると思います。

もちろん時間やお金に余裕があったほうがいいに決まっているけど、たぶん本当にしたいことに没頭してる人は、したいことを邪魔されないように時間やお金を使っていくんじゃないかなー。

最近はシンプルに生きることが流行ってきてるみたいなので、私もそれに流されて同調してるだけかもしれません。でも彼女たちの部屋を見てるとそういう生き方は有効な選択肢のひとつなのではないかって思ったりするのです。

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最後は『化物語』のガハラさん(サービスしてくれてます)。彼女の部屋も畳でちゃぶ台ひとつです。こちらは明らかに家庭の事情だったと思いますが、彼女は成績優秀だし、オシャレだし、自分が大切にしたいものはしっかりと守っている印象があります。でも彼女には打ち込んでいたものが何かあったっけ? あっ…「阿良々木くん」か(笑)。

ではまた。

オールタイムベスト(映画)

ツイッターを眺めていたら、映画のオールタイムベストを挙げている方がいました。なかなか面白いことをやっているなと思ったので、私も思いつくまま挙げてみることに。でもTLに晒すのは気が引けたので、ひっそりとブログに書くことにしました(笑)。

ぱぱっと思いつく11作品を挙げてみましたが、何だか有名作がズラリと並んじゃいました。改めて作品のあらすじや解説は不要でしょうから、初見の印象なんぞを添え書きしておきます。 

『エイリアン』
監督:リドリー・スコット、公開:1979年

友人に「すげー映画があるから観に行こう!」と誘われて、何ら事前情報を持たずに観たんですよね。当時は『スター・ウォーズ』などのSF映画がけっこう話題になっていたけど、私は全く興味がなかったんです。

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ところがこの作品はすごかった。そうか、今のSF映画はこんなになってるんだと感動したのを覚えています。あのエイリアンのデザインも私にはものすごい衝撃で一発で虜になりました。一方で、この映画を観てしばらく密室が苦手になっちゃって、家のトイレが怖くてしかたなかったという思い出も(笑)。

オーメン
監督:リチャード・ドナー、公開:1976年

この当時は『エクソシスト』に端を発して、ホラー映画ブームみたいになってた記憶があります。『キャリー』とか『サスペリア』とか次々と上映されていたけど、映画館で観たいと思ったのはこの『オーメン』だけだったなあ。

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なぜそう思ったのかは思い出せません。でもこの作品を観て私が好きなホラーはこれで間違いないと直感しました。666、カラス、山犬などの記号。悪魔は姿を現さず、登場人物は不慮の事故で死んでいく。そしてテーマ曲「Ave Satani」の不気味な美しさ。他のホラー映画と一線を画す気品みたいなものを感じていたのかも。

風立ちぬ
監督:宮崎駿、公開:2013年

ジブリ作品は映画館で観たことなかったんです。でもこれは宮崎駿監督の最後の作品になると聞いていたので、映画館に足を運びました。そして素直に観てよかったと思いました。ブログに感想も書いたくらいです。

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何よりも二郎と菜穂子の生き方に共感しました。自分が本当に大切にしたいことは何か。その一点のためだけに自分の命を使い切ろうとする。後悔しない生き方ですよね。美しいと思いました。最近観たアニメ映画の中ではベストのひとつかな。

『シャイニング』
監督:スタンリー・キューブリック、公開:1980年

この作品はホント気に入ってしまい、レーザーディスクなるものも買ったんですよね。今もどこかに仕舞ってあるはずですけど、再生機が壊れてしまって観ることができない。それで改めてブルーレイを買い直しました。それくらい好き。

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たぶんこの映画の様式美みたいなものが好みに合ってるんだと思います。双子の女の子とか、エレベータからザザァ〜ドッパーンとか…。そしてジャック・ニコルソンの狂気とシェリー・デュバルの悲鳴が名演技なんだよね。

『天国と地獄』
監督:黒澤明、公開:1963年

世界のクロサワと言われておりますが、実は私あまり作品は観ていません。『七人の侍』など本当に誰もが知ってる超有名な作品をいくつかDVDで観たくらいで…。その中で特に気に入ったのがこの『天国と地獄』でした。

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この作品の捜査会議の描写がホント大好きなんです。緻密で地道で泥臭い感じが実にホンモノっぽい雰囲気を醸し出していて惹き込まれます。私は刑事ドラマをよく見るんですが、この作品を超えるような捜査会議シーンには未だ出会ったことがありません。 

時をかける少女
 監督:大林宣彦、公開:1983年 

この作品には本当に夢中になりました。もう映画館に足繁く通って何回も観るんです。なけなしのお小遣いで写真集を買ったり、主題歌のシングルや映画のサントラを買いました。自分の部屋の壁に知世ちゃんのポスターを貼ったりしてね(笑)。

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今観るとなんじゃこりゃと思う方もいるかもしれません。でも当時の私は、原田知世という少女が持つ独特な透明感に憧れ、時間が巻き戻る時の幻想的な映像に大いに魅了されたのです。あの頃を知る人なら、きっとわかってくれるはず!

『ビリィ★ザ★キッドの新しい夜明け』
監督:山川直人、公開:1986年

当時の私は、ZELDAというバンドが心底好きでいろいろと情報を集めて回っていたんですよね。なんかの雑誌でZELDAが映画に出演すると知り、この作品に辿り着いたのを覚えています。これもレーザーディスクを買ったなあ。

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2年くらい前にDVDが出ているのに気づいてついついポチっちゃいました。久しぶりに見たけど、個性的な役者が勢揃いでみんな若い〜。真行寺君枝の美しさは絶品だし、懐かしのZELDAも素晴らしい。80年代がぜんぜん色あせてないのがスゴいです。

ブレードランナー
監督:リドリー・スコット、公開:1982年

クラスの友人から戸川純のライブ映像があるから遊びにおいでと言われ、そいつの家に行ったら映画の話になり「なんだい、この名作を知らんのかい。」とレーザーディスクで観せてくれたのが『ブレードランナー』でした。

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その時はなんかB級なSF物って印象だったんですが、「お前は全然わかってない。」と友人からレーザーディスクを渡されて、再度自分の家で観ることに。あれから何年経ったでしょうか。彼とはとうに音信不通ですが、とても感謝しています。

ミニミニ大作戦
監督:ピーター・コリンソン、公開:1969年

就職したら絶対にミニを買おう。そう決めていたのです。どこでその車を知り、なぜその車に憧れたのか、未だによくわかりません。気がついた時には好きになっていたんですから恋みたいなものでしょうか(笑)。

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まあそんなミニ乗り御用達の映画です。ミニといえばアニメなんかにもよく登場して、軽快な走りを披露してくれますが、それを実車で本当にやっちゃってるのがスゴい。屋根の上、地下道、はたまた下水管の中、縦横無尽に走り回るミニが実に楽しい。

未来世紀ブラジル
監督:テリー・ギリアム、公開:1985年

この作品を初めて観た時の記憶が定かではありません。たぶん「宝島」とかそんな類の雑誌から情報を得てどこかで観たんじゃないかな。当時、国内ではレーザーディスクも売ってなくて、散々探し回ったあげく輸入版を見つけて買いました。高かったなあ。

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でもこの作品、根強いファンが大勢いるみたいで、その後日本でのDVD発売を切望する声が高まり(もちろん私も賛同)、2003年ついに発売されたのでした。奇才テリー・ギリアム監督の金字塔、未見の方はこの機会に是非!!

『レオン』
監督:リュック・ベッソン、公開:1994年

初見は4〜5年前だったでしょうか。スタイリッシュな映像と音楽、独特な世界観。そして何と言ってもマチルダ役のナタリーポートマンが可愛い。でもこれを声高に言っちゃうとロリコンと蔑まれそうでおっさんにとっては辛いところ(笑)。

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とても整った美しい作品なんですが、それ故かちょっとサラッとした印象もあります。もう少し尺をとって人物像を深掘りしても良かったんじゃないかとも思ったり。まあ、その辺は好みの問題で、とても好きな作品であることには変わりありません。

こうして改めて並べてみると何となく80年代の作品が多くて、自分の嗜好が表れているような気もしますが、あんまり幅広く映画を観ているわけではなく、単に知らないだけなのでしょう。これを機会にもう少し冒険してみてもいいかなって思いました。

『響け!ユーフォニアム』9話 感想

人生で一番充実している時って、わずかな時間も惜しいと思えることに没頭している時だと思うのです。コンクールのメンバーに選抜されて演奏したい。そんな思いでオーディションに挑む部員たち。ひとつのことに本気で取り組んでいる姿というのは、見ている人の心を動かすよなあ。

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過去の自分を嘆いてみたり、他人の才能や環境を羨んだりしているヒマがあったら、今やるべきことに打ち込む。そんな夏紀の姿を見ていたら、私も感化されずにはいられない。

何だかこんなブログを書いたりツイッター眺めて暇つぶしすることは、本当に自分がしたいことなのかって思っちゃう……いや、そこまでは思ってないけど……んー、でもちょっとは思ってるかも(笑)。 

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オーディションの結果は悲喜こもごもとなりました。名前を呼ばれた者、呼ばれなかった者、どちらも受け止めなきゃいけない気持ちがある。ところで、この結果発表を行ったのが松本先生なんだなー。まさにこの人しか考えられず、配役の妙を感じました。

次回も本当に楽しみです。

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