ウィザード・バリスターズ~弁魔士セシル 5話 感想
面白かったです。サブタイトルが「シックス・ナイン」だったので、あらぬ想像をしてしまいましたけど、何の事はない年の差のことだったんですね。霧爺の奔放さには笑っちゃいましたが、セシルにしてみれば今回はただのいい迷惑だったのでしょうか?
もし仮に、霧爺が大手の弁魔士事務所に勤めていたとしたら、間違いなく退職させられちゃうんだろうなあ。勤務態度はだらけてるし、仕事も遅いみたいだし、高齢で健康面だって心配だし。やり手の弁魔士をたくさん抱えて巨額な企業訴訟とか大物政治家の汚職事件(こういう魔術事件ってある?)を手がけてるような厳しい職場では、霧爺が仕事をこなせるとはとても思えないです。
霧爺が現役で今でもやっていけてるのは、中小のバタフライ法律事務所だからでしょう。少人数で地味に個人の事件を請け負いつつ、法律違反ギリギリアウトみたいな危ない橋を渡りながら勝ちを拾っていく。そういった事務所だからこそ、霧爺にも居場所があるんだと思います。
実際、アゲハさんもセセリさんも霧爺の幻影魔術や長年の経験を買っています。だから多少(?)のマイナスには目をつむっても霧爺に居てもらってるんじゃないかな。今いる人達でやっていくしかないバタ法では、一人ひとりが大事な戦力です。霧爺はそれに対してちゃんと応えてきたのでしょう・・・たぶん(笑)。
さて、セセリさんはそんな霧爺をセシルのパートナーとして指名しました。セシルに足りないのは経験で、霧爺にはそれがあると言うのです。これはセシルにとって反論のしようがない言い方で、彼女がちょっと可哀想。しかも具体的に何の経験なのかは教えてくれなくて、そこは仕事しながら学べと。
セセリさんが言ってる経験って何でしょうね。私は事実を見通す目利きだと思いました。
セシルって恋愛に関しては勘が働くみたいですが、その一方で少し頑固で思い込みが強いところがあると思うのです。例えば、アゲハさんに叱られても素直に受け止められなかったり、鮫岡の顔を見るや話しも聞かずに早とちって捲し立てたり。今回も霧爺のマイペースっぷりに振り回されて、どうにも彼を認めることができない感じです。
たぶん事務所の先輩達は、その辺をわかってるんじゃないかな。でも何事も経験だと思ってるからセシルには何も言わない。そこをあえて言ってくれたのは同じ新人で同期入社の穂樽。やっかみ半分にズバッと言い放ったことは、ちょっと唐突感はあったけど客観的なセシルの一面としてそれなりに的を射ていたことなのかもしれないですね。
この後は霧爺の独壇場でした。静夢の一言にピンときて、霧爺は今までの証言を再度洗い出したのでしょう。そして、夜中にゴミ箱から拝借してきた一枚のシフト表から鈴井が犯人であるという仮説を立て、新たな証言をとり、魔術使用の荒っぽい手口で証拠を押さえて、ついには起訴取り下げをもぎ取って完勝と相成りました。
とは言うものの、完勝に至る経緯はめちゃくちゃショボくて地味。でもそれは後追いで見てるから言えることなんだと思います。実際に当事者として、期限を切られ何もないところから答えを見つけるのって難しいんですよね。それにどんな案件もショボいことの積み重ねからできてるものです。そして何よりも、セシルはそんなショボいことに気づけなかったんです。これが厳然たる事実を見通す目利きの差じゃないかなあ。
ラストの霧爺の仮病には爆笑でした。セシルはそんな霧爺をやっぱり尊敬できないでしょうか。まあ尊敬はしてませんよね。でも彼を認めることはできたんじゃないでしょうか。今までのお話のようなド派手な展開はありませんでしたが、これぞ霧爺らしさ全開というエピソードになっていて面白かったです。
・・・それはそうと静夢のセシル達へのアドバイスが不可解で気になりました。やはり今回の事件も誰かに仕組まれたものだったのでしょうか?
次回も本当に楽しみです。