ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 7話 感想
旧時代の兵士の幽霊が「こんな残りカスの世界で生き延びることに意味があるのかい。」とフィリシアに問いかけます。残酷で投げやりに聞こえる問いかけだけど、彼らが背負ったものは途方もなく大きく、敗れて失ったものも途方もなく大きかったから、わずかに残った世界は、彼にとって残滓にしか思えないのでしょう。
でも、そんな残滓の中で人は綿々と生きている。フィリシアの「私はここにいます、生きています。」という叫びからは、そんな思いが伝わってきます。
その残りカスの世界でも戦いは続いている。フィリシアは、先輩や同僚とともに戦い過ごした中で自分が生き残った意味を少しずつ感じとっていったんだと思います。そして、この夏に呼び覚まされた記憶の中で再び彼らに会って、本当に自分がここにいる意味に気づいた。
世界はゆっくり終わりに近づいていて、人間はいずれ完全に滅びるだろうと言われてる。旧時代の兵士が残してくれたこの残りカスの世界には意味なんてないかもしれない。でもそれを受け継ぎ、守り抜いて、次の世代に受け渡していくことに意味を見つけた。フィリシアがカナタたちに世界の果てを見てほしかったのも、そんな思いが込められていたからかもしれません。
フィリシアは、昔の同僚と旧時代の兵士を灯籠で送り出しました。途切れる事なく連なる灯籠の灯りを見ていると、この世界を繋いでくれた人達のためにも、生き延びていくことに意味があるのだと思えてきます。お盆にまつわるフィリシアのエピソード、とても面白かったなあ。
次回も楽しみです。