とある科学の超電磁砲 16話 感想
固法先輩と黒妻さんのエピソード、過去に見聞きしたことのあるテンプレ的な展開なんですけど、このアニメだとどうしてこうも面白く感じるのでしょう。でも今回は、それ以上にこのエピソードの傍らにいた美琴に興味がそそられるお話でした。
今までのこのアニメの美琴の描写は、レベル5の圧倒的な能力とか可愛いもの好きといった外面的なもので、心理描写は他のキャラに比べてだんぜん少なかったと思うのです。だから美琴は心理面ではわかりにくいキャラになっていて、なにかとあれは上から目線だとか、いやあれは思いやりだ、なんてどっちにも解釈できる曖昧さを持っていたように思います。
一方、他のキャラでは、佐天さんや木山先生のようなエピソードとか、初春の一生懸命さや黒子の美琴への想いみたいな描写がたくさんありましたよね。これらのキャラはいずれも必死な面があり、私もたっぷり感情移入できました。一方、そこに絡む美琴の姿は、どこかこだわりが感じられずさっぱりしていて、ちょっと悪く言うと少しドライな感じを受けていたんです。
ところが、今回のお話の美琴には、固法先輩に対して、こうあってほしい、という思いが感じられましたよね。そして固法先輩と黒妻さんの姿を見て、彼女自身が理解できなかったことを一つ学んだ姿がきちんと示されたように思います。こういうのは今までの美琴の描写にはなかったんじゃないかな。
今後、美琴が本格的な壁にぶつかり、たった一つのものが手に入らないなんていう事態に陥るんじゃないかしら。美琴が本当に一生懸命になった姿が見られるんじゃないかしら。美琴が能力以外のところで、「限界を超える」んじゃないかしら。なんて想像がふくらむ今回のお話でした。美琴の主人公らしいエピソードを大いに期待してしまいます。
次回も楽しみです。