けいおん!! 17話 感想
ちょっと驚きました。何がって、あの感覚的で禅問答だった唯が自分が書いた歌詞の意味を聞いてわかる言葉で説明してるんですよ。どうしたんだろう、この唯の変わりようは。
今回の唯、明らかにモードがいつもと違いましたよね。文化祭に照準を合わせてみかんを怠りなく食べる。「お茶が飲めないんだよ〜。」「おかし食べられなかったもんね〜。」という台詞も明らかにつっこまれるのを意識した言い方になってるし。なんというか、気合いを感じるんです。
部室に生還した唯ったら、紬の「お茶入れようか。」の一言に対して、間髪入れずに「その前に一曲やろう!」ですよ。そして、家に帰れば「後は歌詞だけだあー。」って、なんとも充実してます。さらに「よーし今日は徹夜してがんばるぞー。」と憂と一緒に歌詞を三本も仕上げちゃいます。
そういう充実モードな唯だっただけに、今回の部室が使えないことは身に沁みたんでしょうね。単にまた練習できるようになってうれしいとか、そういう曖昧な表現ではなく、「ここ(部室)で練習できるなんて、ありがたいよね。」とはっきりと感謝の言葉が出てくるくらいです。これちょっと私が思ってた唯には、今までなかった感じです。
この後、憂が風邪を引いてしまうのですが、唯の頭の中には、自然に「大切な大事なもの、いつもそばにいてくれる。でもそれが当たり前になっていると気づかない。」という言葉が浮かび上がってきます。これ、もし唯が充実モードでなかったら、部室の件がなかったら、私がしっかり憂を看病しなきゃなんていう方向に頭が行ってしまって、そんな言葉なんて浮かび上がらなかったんじゃないかな。充実モードの唯が、部室への感謝の気持ちを強く心に残していたからこそじゃないかと思います。
で、自分の気持ちがきちんと言葉で整理されていたから、その晩、唯が書いた歌詞からはストレートに思いが伝わってきますよね。それまでに唯が書いた歌詞とは明らかに違う。それは、唯自身も自覚しているように思えます。
だって、「いなくなってみて、初めて大切なもののありがたさがわかるって気持ちを込めてみました。」と照れつつもはっきり言う唯の顔は、すごいことがわかったんだよっていう子供みたいな顔じゃないですか。目がキラキラしてるし・・・。唯は自分でわかってるんです、歌詞に込めた気持ちにたどり着いた過程も、言葉で表現できた理由も・・・。
そして、さりげない律ちゃんの台詞がいい。「というか、憂ちゃんと部室が作らせたんだなあ。」という言葉できちんと返してあげてる。この場面で「さすが唯〜。」なんて曖昧な表現じゃないんです。唯が何をうれしく思っているかわかっているんですよ、律ちゃんは!。あの台詞は、観ている人に言ってるんじゃなくて、純粋に唯に言ってるんだと思います。
うーん、唯の新たな一面を垣間見た感じです。成長と言ってもよさそう。右脳全開の天才肌だった唯が、左脳の使いだしたら、将来すごいことになるんじゃないいの?
次回も楽しみです。