俺の妹がこんなに可愛いわけがない 10話 感想
今回も面白かったです。お話はきれいにまとまっていたし、何より観ていて楽しかったですよね。でもこのお話、ちょっと見方を変えると世の中の仕組みの一端を見せてくれているようで興味深いんです。
以下、このアニメの登場人物の心情をいっさい無視した結構ブラックな内容も書いていますので、気になさる方は読まれない方がよいかもしれません(笑)。
<もし、あやせが、やり手のビジネスマンだったら?>
つまりはこんな感じです。例えば、どこかの会社でのお話にしてみましょうか。ある会社の社長(またはオーナー)は桐乃です。その下には優秀な部下であるあやせがいます。さらに、あやせの部下として京介、黒猫、沙織がいるとします。
ある日、あやせは社長である桐乃のご機嫌を損ねてしまいます。出世の道が危ういと焦ったあやせは、桐乃に贈り物をして失点を挽回しようと企てます。贈り物は桐乃に喜んでもらえるのが一番だけど、自分のセンスも光るものがいいなあ。さて、何がいいのやら・・・。
あやせは部下の京介を呼びつけ、何か相応しい贈り物を提案するように指示します。やっかいな仕事だと思う京介でしたが、同じチームメンバーの黒猫と沙織と企画書作成に取りかかります。敬愛する社長のためでもあるし、頑張ろうと。
3人は足を棒にしてリサーチし、ディスカッションを重ねて、ついに企画書を完成させます。ちょっと上司のあやせに骨を折ってもらう内容でしたが、知恵を振り絞った結果だし、まあいいでしょう。早速、京介があやせにプレゼンです。
ところが、あやせは企画書の内容に大激怒。上司に仕事させる企画とは何事かと京介を一喝します。でもまあ、贈り物については知恵をしぼったようだしいいでしょう。しかし、このやり方では100%優勝できる保証はないですね。お兄さん、これから私のやることをよく見てくださいね。
あやせは、やり手のビジネスマンです。人脈もあり目的達成のためには手段を選ばない非情さもあります。何とあやせは、素人が出場するコスプレ大会にプロのモデルを送り込む作戦に出ます。幅広い人脈の中から選ばれたモデルは加奈子。しかも、加奈子のプロ意識を巧みに利用し、絶対断れない状態に追い込んで出場させるんです。
そして結果は目論見どおりの優勝。お兄さん、お仕事はこんな風にやるんです。あやせは、手にした賞品を社長の桐乃へ贈ります。首尾よく桐乃のご機嫌も直ったようです。そして仕事を終えた加奈子は・・・もう用済みなんです(笑)。
<特出した人たちが、欲しいものを手に入れ、金を稼ぐ>
ちょっと意地悪くあやせのことを書いてしまったけど、他愛ないたとえ話ですので大目に見てください。そして、さらに言うと・・・
トップに君臨する桐乃は、黙っていたって欲しいものが手に入るんです。そして金を稼げるのは、特出した才能を持った加奈子みたいな人であり、世の中の仕組みを理解してそれを利用する力を持ったあやせみたいな人たちです。これが全てではないけれど、間違ってもいないでしょう。
一方、特出したものはないけれど、頭と体をフル回転させて一生懸命働く人たちがいます。さっきの話で言うと京介、黒猫、沙織です。優しく素直なこの人たちは、世のため、人のため、上司のためにホントによく働くんです。(そして、こんな人たちが手にする報酬はそんなに多くない。おっと、沙織は違うかもね?)
こんな人たちが世の中で、いろいろな方向を向いて動き回っているんですよね。今回のお話を観て、何かそんなことを思ってしまいましたよ・・・・(なんだかなあ)。
<悪いのは大人たち>
ところで、あやせが加奈子の気持ちを考えたとは思えない行動をしたり、加奈子がお客さんのことを小馬鹿にしているのを見ると、ちょっと考えてしまいます。
二人とも中学生ですがモデルの仕事をしてるんですよね。仕事をしているからこそ、大切にしなくちゃいけないことがある。これ、あやせや加奈子が悪いわけではなくて、周囲の大人たちが悪いんでしょうね。
今後、あやせや加奈子が、そんなところに気づくお話があるといいなあ。
次回も楽しみです。